ペリセアはセラミドを超える?
「セラミドを超える新規成分ペリセアを特濃配合しました」
と謳い、商品を売っているところがあります。
ほう、セラミドを超えるとは大きくでたものですな。
正直、ヘアケア成分としてなら、
ペリセアのほうが圧倒的に優れています。
髪にもセラミドが必要ですが、セラミドとペリセア、
同じ濃度を添加するなら、断然ペリセアのほうが優れています。
コストのことを考えるとなおさら。
あくまで、ヘアケア成分としてであれば、
セラミドを超えたというのは間違いではないです。
では、スキンケア成分としては??
まず、セラミドを超えたという根拠はこちら。
セラミド2とペリセアを配合した溶液を塗って、
セロテープで「ウラッ」て剥がしたところに、
どんだけ成分があったかってのを調べたもの。
s1は1回、s14は14回、テープで剥がしたってこと。
これで角質層がどれだけ剥がれるかはわかりませんが、
回数を重ねたほど、角質の奥まで調べてるって感じです。
まず、ペリセア固形分0.5%というのは、
ペリセアを0.5%配合ってわけではないです。
ペリセア30は固形分、つまりジラウロイルグルタミン酸リシンNaが
30%配合されている原料です。
つまり、ペリセアとしては1.6%使用しているってことになります。
どういうことかっていうと、ペリセアのほうが3倍以上入ってるってこと。
続いて、セラミド2を0.5%分散液となっていますが、
こちらはセラミドを水に分散させたものになります。
まあ、あえて浸透しにくい状態で比較しているってなわけさね。
セラミドは使う基剤によって、浸透性が全然変わってきますので。
同じ条件なら、水溶性のペリセアのほうが有利なのは当然で、
データととるなら、ポジティブなデータを取りたいのも当然で。
あくまでペリセアは擬似セラミドなんですよ。
擬似セラミドの利点は、浸透せずに肌表面にラメラ構造を形成し、
角質層とは別に、それに近い膜を作ることにあります。
ペリセアは浸透し、角質層に入り込んでしまいます。
しかも、残留性が非常に高い。
洗い流さないものに使うのは、正直どうか?
というのは個人的見解。
原料メーカーもヘアケア用途での使用を推奨しており、
スキンケア用途では推していません。
こちらは石鹸にペリセアを入れた実験。
石鹸で5回も洗うってのは正気の沙汰ではないですが、
ペリセアが入っていれば、肌へのダメージを軽減できますよ!
ってことです。
おそらく、ペリセアの皮膜作用によって、
肌を守っているのだと思われます。
洗い流すものでの実験データはありますが、
塗布のものはありません。
まあ、本当にセラミドより優れた保湿効果、バリア機能があるのであれば、
コスト面では何十分の一になるので、こんないいことはないのですが、
残念ながら、そんなことはないんですよね・・・
また、ペリセアは界面活性剤で乳化作用もありまして、
ある程度の量であれば、ラメラ構造を形成しますが、
多過ぎると乳化してしまうんですよ。
つまり、洗い流すものであれば問題はないのですが、
つけたまま、毎日、毎日やったらどうなるか?
大丈夫ってのは言いづらいところではあります。
もしかしたら大丈夫かもしれませんが、
個人的に試す気にはなれません。
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