一般的にはこんな感じなのかなー
まあ、業界内の人間がこんなことをいっていたら大問題ではありますが、
世間一般では、コラーゲンもセラミドもなんかお肌にいいものって認識で、
何が違うのかはよくわからないのかなーと。
セラミドって名前は知っているけど、
それが何かを説明できる人のほうが少ないのが現実なんだろうなー
残念ながら。
コラーゲンはアミノ酸から構成されるタンパク質です。
アミノ酸が一列に並んだものが三重螺旋構造をとって、
始めてコラーゲンと呼べるものになります。
この三重螺旋構造を解いて、1本にしたものがゼラチンになります。
一般的にサプリや化粧品の原料となるのは、
ゼラチンを酵素処理してさらに細かくしたものになります。
加水分解コラーゲンとか・・・
通常、コラーゲンの分子量は30万くらいです。
で、加水分解コラーゲンが3000~10000くらい。
コラーゲンにも種類があって、30種類くらいあると言われます。
一般的にコラーゲンと言っているのはⅠ型になります。
お肌はもちろん、骨や髪にも存在しており、最も多いコラーゲンがⅠ型になります。
あとは、Ⅱ型は関節にあるコラーゲンで、関節系のサプリでよく見かけるのではないでしょうか?
また、Ⅲ型が赤ちゃんの肌に多く、ベビーコラーゲンと呼ばれています。
成長過程でⅠ型に置き換わるわけですが、赤ちゃんの肌にⅢ型が多いからとの理由で、
Ⅲ型が多いほうがいいと思われている方が多いですが、
実際は、そういうわけではないです。
あとは基底膜のコラーゲンがⅣ型ですかね。
コラーゲンが存在するのは、真皮になります。
何しているかというと、肌構造を保つための柱の役目を担っています。
シワやたるみは、コラーゲンが減少することで、
肌の構造を維持できなくなった結果になります。
主流派豚のコラーゲンになりますが、近年はテラピア(魚)由来のコラーゲンも増えています。
中国とかインドとからから入ってくるので、価格的に差がなくなってきています。
ただ、魚由来は独特のにおいがあるので、高濃度での配合は豚のほうが使いやすいです。
魚由来はテラピア以外は鮭、鱈、ナマズなどから取られます。
ロバ由来は阿膠と呼ばれ、乱獲が問題となっています。
かつては牛由来が最もポピュラーだったんですが、いわゆる狂牛病問題で
ほとんど使われなくなりました。
珍しいところではナマコとかクラゲ由来のものもあります。
ちなみに、植物にはコラーゲンが存在しません。
で、セラミドですが、セラミドは脂肪酸とスフィンゴシンからなる
スフィンゴ脂質になります。つまり、脂肪の仲間。
コラーゲンに比べれば、ずっと小さな分子量になります。
メッセンジャー物質の前駆体、もしくはメッセンジャー物質そのものとして働き、
コラーゲン同様、至る所に存在します。
特に神経と肌に多く、肌に存在するセラミドは特異的に脂肪酸が長いです。
また、種類も多く、大きく分けると12種類、異数体を含めれば352種類以上
肌に存在しています。
コラーゲンが真皮にあるのに対し、セラミドは肌表面の角質層に存在します。
角質細胞の間を埋める、細胞間脂質の主要構成成分となります。
規則的に並ぶことで、ラメラ構造を形成し、
肌から水分が蒸発するのを防ぐとともに、
外部からの刺激に対するバリアとなります。
セラミドが不足すると、蒸散が抑えれなくなり、
乾燥肌となります。
また、バリア機能の低下によって、外部からの刺激を受けやすくなり、
さらに乾燥が進みます。
基本的には酵母によってスフィンゴシンを作らせて、
これを脂肪酸と合成することで作ります。
合成セラミドと呼ばれているので、石油から作っていると
思われている方がいますが、残念ながら違います。
脂肪酸もだいたい植物由来。
発酵物の粕(焼酎や醤油の製造過程ででてくるもの)や、
栗の皮から抽出されたものもあり、これらは天然ヒト型セラミドと呼ばれます。
自然界では糖がくっついたグルコシルセラミドとして存在しており、
セラミドとして抽出するのは非常に難しいです。
どちらも収集率は非常に悪いです。
コラーゲンと違い、あらゆる生物に存在しています。
化粧品の原料としては、
コラーゲンはジペプチド、トリペプチドまで分解しないと、
真皮まで到達することはないです。
ジペプチドはアミノ酸2個、トリペプチドはアミノ酸3個の状態。
これらは、コラーゲン合成を促進する効果がありますが、
表示ではコラーゲンとは呼ばれず、別の呼び方をされます。
何とかコラーゲンというのは、被膜効果による保湿成分となります。
残念ながら、浸透することはないです。
仮に浸透したとしても、何の役にも立ちません。
一方、セラミドは角質層に存在しているので、
塗布によって不足分を補うことが可能です。
まあ、あくまでヒト型セラミドに限りますが。
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