いいえ、溶けません
「オリーブオイルは肌が溶けるのに、使用しているのはおかしい」的な?
そんな内容のご質問を受けました。
正直「???」って感じではあったのですが、
まあ、オリーブオイルで肌が溶けるわけないので、
そんなわけないっすよーと答えたわけ。
そしたら、「ブログに書いてある」と。
ん?ソースオレ?
もしかしたら、他にも勘違いをされている方がいるかもしれませんので、
ちょっと掘り下げてみようと思った次第です。
そもそも、オイル、つまり油ですね。
何でできているかって話ですが、100%脂肪です。
で、脂肪ってのはグリセリン+脂肪酸でできています。
リノール酸とかオレイン酸ってのが脂肪酸の名前になります。
よく、オリーブオイルはオレイン酸が豊富といわれますが、
遊離脂肪酸として存在しているわけではなく、
脂肪の構成成分として存在しています。
オリーブオイルの脂肪酸は8割がたオレイン酸ではありますが、
グリセリン+脂肪酸の脂肪酸の部分にオレイン酸が多いってことです。
ですので、オリーブオイルとオレイン酸の性質は異なります。
この辺は通常、知っているものとして端折られてしまいますので、
誤解している人は多いと思います。
で、石鹸を作る際の話になるのですが、
石鹸は脂肪+強アルカリで、鹸化という反応をさせることによってできます。
材料は、水、油、水酸化Na(場合によっては水酸化K)
鹸化は脂肪酸Naとなることで、これが界面活性剤の働きをします。
その際に、脂肪は脂肪酸とグリセリンに分かれ、石鹸にはグリセリンが含まれるわけです。
まあ、コールドプロセスによる方法ですけどね。
で、脂肪酸Naは脂肪酸によって、性質が異なります。
だから、使うオイルによって、性質の異なる石鹸ができます。
オリーブ油を使った石鹸はオレイン酸Naの比率が非常に高くなります。
特徴としては、水に溶けやすく、泡立ちはあんまりで、皮脂を落としにくく、
細胞間脂質を溶かしやすいと言われます。
細胞間脂質を溶かしやすいけど、そもそも皮脂を溶かしにくいものなので、
細胞間脂質に影響を与えにくいということから、敏感肌、乾燥肌の人に
オリーブ油由来の石鹸は重宝されます。
ここで勘違いポイントが2つありまして、
1つは、石鹸の特徴、いわゆる選択洗浄性についての話ですが、
本来は脂肪酸Naの話なのですが、脂肪酸として話をしてしまいます。
たとえば、オリーブ油はオレイン酸が豊富なので、
皮脂は溶かしにくく、細胞間脂質を溶かしやすい・・・みたいな?
鹸化について理解していないと、まあ誤解しても仕方ないのかもです。
もう1つは細胞間脂質と皮脂の位置関係ですかね。
皮脂の下に細胞間脂質は存在するわけなんですが、
これがわからないと、オリーブオイルの石鹸がなんで肌に優しいのか
納得いかないみたいです。
まあ、何がいいたかったのかというと、
オリーブオイルで肌が溶けるってことはないです。
ついでにオレイン酸で肌が溶けるってこともないです。
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