なんでエタノールを使うのか?
エタノールはいわゆるアルコールのことで、
まあ、お酒の主成分です。
化粧品でも使われる原料です。
配合目的は防腐効果、揮発性の利用、抽出溶媒の3パターンあります。
防腐効果
エタノールの防腐効果は10%くらいで静菌作用、
70~80%で殺菌作用を示します。
静菌作用は菌の増殖を抑え、殺菌作用が文字通り菌を殺します。
まあ、通常は防腐目的なので10%程度配合されている場合がほとんどです。
ただ、揮発しやすいので、エタノール単体で防腐しようとすると、
時間と共にエタノールが抜けて防腐効果が落ちますし、
空気中に普通にいる酢酸菌には防腐効果がほぼないので、長期放置しておくと、
異臭を放つことになります。
ですので、他の防腐剤との併用が必要となります。
パラベンとかフェノキシエタノールとか。
どうせ防腐剤を別に入れるのであれば、エタノールを防腐剤として使う
必要性が皆無なので、昨今では防腐効果で使われることはまずない・・・
といっても過言ではないのではないかな?
揮発性の利用
注射を打つ前に、スースーするやつを塗られると思うのですが、
あれがエタノールです。殺菌するためなので70~80%の濃度のやつ。
スースーするのは、エタノールが揮発し、体温を奪うからです。
清涼感ってのを出すのに使えるわけです。
また、エタノール加えることで、揮発性が増すので、
肌の上からすぐに消えます。
これが浸透していると錯覚させるためのトリックとして
利用されています。
浸透しているわけではないのですが、まあ、そんなこと誰にもわからないので、
浸透性が凄いって言っとけば、「そうなんだ」と思わせることができた
時代があったわけです。まあ、流石に昨今でそれを言っているところは
非常に少なくなってはいますが・・・・
抽出媒体
抽出するときに、アルコールでしか抽出できない成分とかあるんですよ。
代表的なのが高麗人参ですかね。
焼酎漬けになって、瓶にはいってるやつ、見たことないっすかね?
まあ、腐敗しないようにって漬けているわけですが、有効成分は
ほぼすべてアルコールに移っています。
梅酒とかも、アルコールで梅の成分を抽出しているわけっす。
ですので、抽出エキスの中にはエタノールが含まれているものが
まあまあ、あります。
キャリーオーバー扱いにしてもいいんですけどね。
末の方に書かれているのは、抽出の関係上、原料に含まれているものになります。
さてさて、化粧品でのエタノールの立場ですが、
正直、よろしくはないです。
まずエタノールが含まれているかどうかってのをチェックする人も
少なくはないのではないでしょうか?
その原因となっているのが、刺激性ですかね。
傷口に消毒液ってのは、基本的には沁みるわけです。
エタノールもやっぱ沁みるわけです。
ですので、肌に炎症や傷があると、肌にいらぬ刺激を与えかねないわけ。
また、アレルギーのある人もいるので、微量でも反応がでてしまうそうな。
もちろん、稀に・・・ですが。
というわけで、エタノールの使用は現状は避ける傾向にあります。
積極的にエタノールをぶち込んでくる加工先は、まずないです。
皆無といってもいい。
うちもローションにエタノールが含まれていますが、
0.1%も入っていないにも拘わらず、エタノールがーって言われますからね。
可能な限り入れないほうが、売りやすいのは間違いないです。
にも拘わらず、エタノールを配合している商品があるのはなぜか?
末にちょろっと書いてあるのではなく、頭の方にある商品が
少なからずあるのはなぜか?ってことね。
「めっちゃ、エタノールはいっとるやないか!」ってなやつ。
1つは、昔から処方を変更していない商品。
ロングセラー商品なので、今更変える必要がないってやつ。
もう1つは、処方組んでいる人が古くて、
昔からの処方を条件反射的に組んでいる場合。
もうどっちかですわ。
断言してもよい。
確かに風評被害かもしれませんが、
販売する上では、確実なマイナスです。
いやいや、エタノールは無害で安全ですと訴えたところで、
その行為はマイナスをゼロに持ってく作業でして、
それで売れるわけじゃないわけで。
メリットよりもデメリットが明らかに勝っているわけで、
好んで入れるなんて、正気の沙汰ではないです。
まあ、それでも売る自信があるってことなので、
その販売力は羨ましい限りです。
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