くりセラミド
栗の皮から抽出されています。
表示はセラミドAP、グルコシルセラミド、フィトステロールズ
ヒト型セラミドとグルコシルセラミドの割合はわかりませんが、
おそらくグルコシルセラミドのほうが多くなると思われます。
ヒト型セラミドのみを抽出すると、収集率が物凄く悪くなるので、
原料価格が異常に高くなってしまうってのもありますし、
特許の絡みでそうせざる負えないってところもあったのではないかな?
たぶん、粉末原料になると思われます。
構造はセラミド6Ⅱと同じですが、
脂肪酸が非常に長いのが合成のものとは違います。
セラミドはスフィンゴイドと脂肪酸で構成されており、
肌のセラミドは特異的に脂肪酸が長くなっています。
長いほうがバリア機能、保水機能が高くなります。
構造式のギザギザの部分の数だけ炭素(C)があるのですが、
その数が多いほうが長いってことになります。
合成セラミドはC18の1種類になります。
基本的にはセラミド1、セラミド9以外はC18と考えてもらって問題ないです。
アシルセラミドはC30以上になり、圧倒的に長いです。
アシルセラミドは別格として、くりセラミドは通常のヒト型セラミドよりも
脂肪酸が長く、C24-26と極長脂肪酸で構成されています。
ちょっと右と左でグラフの単位が違ってわかりにくいですが、
80%以上がC24-26となっています。
これは麹由来の天然ヒト型セラミドよりも高い割合です。
こちらは60%くらい。
ちょっとよくわからんとこでデータとってます。
in vitroの実験になります。
左から、HAS1(Hyaluronan synthase-1: ヒアルロン酸合成酵素-1 )
通常1.0として、くりセラミドは2倍、ヒアルロン酸合成に関わる
遺伝子が発現していますってデータ。
まあ、合成ヒト型セラミドとの有意差はないです。
また、RNAの合成量が2倍でも実際のヒアルロン酸が2倍作られるわけではないです。
よくて1.5倍くらい。1.2~1.3くらいだと思われます。
また、あくまで真皮まで行ったらって話なので、
ぶっちゃけ、あんまり意味のあるものではないです。
続いて、FLG(Filaggrin: フィラグリン)
フェラグリンは天然保湿因子となるタンパク質ですが、
こちらは有意差がありそうです。
まあ、こちらも真皮まで到達したらって話になるんですけどね。
TGM1(Transglutaminase: トランスグルタミナーゼ)
角質細胞を包むコーニファイドエンベロープ(CE)の形成、成熟促進をする酵素。
バリア機能に大きく関わっており、アトピーなどでは未成熟CEが非常に多くなる傾向にあります。
くりセラミドにはCE形成に関わる酵素が増え、合成のヒト型セラミドには
無い作用になります。
GBA1(β-glucocerebrosidase: β-グルコセレブロシダーゼ)
セラミドの前駆体であるグルコシルセラミドからセラミドを産生する酵素。
こちらも角質層を通り抜ける必要があります。
残念ながら、グルコシルセラミドを塗布してもセラミドにはなりませんので。
つまり、CEに対する効果がくりセラミドに特異的にあるといえるかなー
って感じです。
まあ、普通に保湿効果とか水分蒸散を防ぐデータが欲しかったかなと
思わなくもないです。
原料供給はしてないので、使いたいって場合は、
サティス製薬へOEMを依頼することになります。
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