合成クルクミン誘導体
合成クルクミン誘導体によるアンチエイジング効果を検討した研究が
Drug Discoveries & Therapeuticsオンラインに掲載されました。
Cur2004-8, a synthetic curcumin derivative, extends lifespan and modulates age-related
physiological changes in Caenorhabditis elegans
クルクミンといえば、ウコンに含まれている成分で、
抗酸化作用、抗炎症作用、抗がん作用など、さまざまな生物学的作用があります。
肝臓にもよいとのことで、二日酔い予防のドリンクなんかに配合されています。
私自身、あまりお酒は強くないのですが、クルクミンを摂取しておくと、
悪酔いしないってのは間違いないと思っています。
高純度のクルクミンは絵の具みたいに黄色で、充填機に色がついてしまいたいへん。
扱いにくいですが、非常に効果が高いってことで注目はされていました。
で、この論文はクルクミンを加工したクルクミン誘導体Cur2004-8が、
クルクミンよりも高い効果があったってな話。
Cur2004-8はアルキニルピリジンを含む合成クルクミン誘導体。
クルクミンは水に溶けず、吸収しずらい成分なので、
おそらくは親水基をくっつけて吸収しやすくしたものになるのではないかな?
Caenorhabditis elegansは線虫の一種で、これにCur2004-8を与えることで、
環境ストレスと加齢への影響を調べたわけです。
線虫での実験はマウスを使う前段階の試験になります。
管理も楽だし、費用もずっと抑えれるので。
結果、Cur2004-8投与により、酸化ストレスに対する線虫の抵抗性を有意に増加させ、
それはクルクミンよりも優れていました。
ただ、熱ストレス、紫外線ストレスに対してはあまり影響はなかったとのこと。
また、老化に対しては平均寿命、最大寿命の両方を大幅に延長されたそうな。
こちらもCur2004-8のほうがクルクミンよりも優れていた・・・のかな?
よくわからん。
加齢による運動性の低下も遅らせることができたので、
いわゆる健康寿命ってやつも上がるんでないかなー
線虫ってのは、老化でシワやシミができるわけでもないですし、
毛が薄くなるとかもないわけでして、見た目的には変化はほぼないです。
ぶっちゃけ、どれだけ長く生きるかってのを見るくらいしかできません。
ですので、Cur2004-8が寿命を延ばす効果があるってのは早計です。
まあ、この結果からは、高い抗酸化力があり、
健康に何かしら良い作用があるかもしれないってとこかな。
で、クルクミンよりもその効果は優れているかもしれない、
ってな感じです。
クルクミンの有用性はすでに証明されていますので、
今後の研究ではCur2004-8がそれを塗り替えていくことになる可能性が示唆された
という段階です。
クルクミンの効果の1つとして、ボケ防止効果があり、
アルツハイマー病の進行を抑えるといわれています。
で、動物実験ではすでにCur2004-8がアルツハイマー病に関しての
有用性がすでに確認されているそうな。
そう遠くない将来にはCur2004-8がサプリメントとして
売られるようになるのではないかなーと思います。
医薬品目指しているなら、まだまだ先の話になるでしょうけど。
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