EGFの表示はヒト遺伝子組換オリゴペプチド-1
EGFは成長因子の1つで、化粧品に配合される場合があるわけですが、
表示名はEGFではないです。
最初はヒトオリゴペプチド-1と表示していたのですが、
ヒトから取ったわけではないんですよ。
そりゃそうだわな。現実的に人からの抽出物とかヤバイですから。
いろんな意味で。
ヒト型セラミドがヒトセラミドではないってのと同じことっす。
大腸菌か酵母にヒトオリゴペプチド-1の遺伝子をぶち込んで、
それらに作らせたものを集めて精製されたものになります。
ですから、遺伝子組換って言葉がはいるわけ。
まあ、ほとんどは大腸菌になります。こっちのほうが楽ですから。
遺伝子組換えって言葉に過剰に反応する人が少なからずいますが、
多くのものが遺伝子組換えによって作られているんですよ?
代表的なのはインスリンなどのホルモン。
昨今では抗がん剤なんかも大腸菌が作ってるんですよ。
薬を作るうえでは、もう欠かすことのできない技術です。
何で大腸菌かというと、1つは培養が簡単って理由。
すぐ増えるから。
もう1つはプラスミドを持っているから。
大腸菌は自身のDNAとは独立した遺伝情報をもっており、
それがプラスミドです。
このプラスミド、外部から遺伝子を簡単に導入できるんです。
たとえば、O-157って問題になったじゃないですか。
ベロ毒素を作る大腸菌になるわけですが、このベロ毒素の遺伝情報は
他の菌からのもので、それをプラスミドが取り込んだことで、
O-157となったと言われます。
まあ、手っ取り早く耐性を手に入れるための1つの手段なんでしょう。
偶然による突然変異だけに頼っては、生存競争を生き残れないわけっすよ。
で、遺伝子組換えしたい遺伝子を入れて大腸菌を培養すれば、
勝手に取り込んでくれます。
一緒に抗生物質耐性遺伝子もぶち込んで、
抗生物質でスクリーニングして、そいつを培養すればよいってわけ。
さらに、遺伝子組換えしたプラスミドだけを抽出することで、
これを別の生物へぶち込むことで、遺伝子組換えをすることができます。
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