界面活性剤として石ケン素地を使うのか・・・
乳液に石ケン素地が入っているものがあると聞いたのですが、
いやはや、本当にあったわ。
石鹸乳化の一種だとは思いますが、石鹸乳化のメリットは、
界面活性剤不使用と謳えること。
つまり、製造工程中に脂肪酸と強アルカリを反応させ、
鹸化を起こすことで石鹸を作り、それを利用して乳化するという手法。
まあ、石鹸自体が界面活性剤ですが、表示上は界面活性剤はでてきません。
界面活性剤を使用していないとはいったが、入っていないとは言っていないって
シロモノにはなるのですけど。
しかしながら、石ケン素地使っちゃったら、界面活性剤不使用とは言えないわけです。
だって、石ケン素地が界面活性剤ですから。
質が悪いとこだと、合成界面活性剤不使用とか言っちゃうんだろーな・・・
合成の定義がよくわからんけど、たぶん石油系界面活性剤ではないってことかな?
なんやねん、石油系界面活性剤って・・・
まあ、それはさて置き、石ケン素地を使うメリットは、
鹸化させる必要がなくて、混ぜるだけでいいってこと。
デメリットはアルカリを保たないと失活するので、
アルカリ性になってしまうこと。
クエン酸入れたら、分離します。
ですので、乳液はアルカリ、まあ弱アルカリだとは思いますが、
つけることになります。
肌の恒常性により、すぐに肌のpHは元に戻りますので大きな影響はないとは思いますが、
洗い流さず、肌に浸透させるとなると、ちょっと個人的には嫌かな。
ちなみに石ケン素地は水酸化Naで作ったものを指し、
水酸化Kで作ったものはカリ石ケン素地となります。
まあ、ようするに石ケンの粉です。
こちらの商品はカリの方を使っていました。
ぶっちゃけ、石鹸乳化て再注目されていましたが、
採用しているところは少ないです。
理由は安定性のなさ。
ちょっと置いておくとすぐに分離するわ、
固まるわで、3年ももたないことが多いです。
とにかく不安定で、3年間安定させることができるなら、
それは奇跡と呼んでもよいです。
この商品が3年間の安定性を担保しているのであれば、
それはそれで、凄い技術力ではあるんですよねー
昨今は安全性が高く、安定性もある界面活性剤が沢山あります。
わざわざ難しいことをするわりに、メリットがあんまりないんです。
まあ、割に合わないってやつ。