5%、6%とかセラミド入れたら凄い?
現状、セラミドの配合量は4.5%が最高だと思います。
そもそも、そんなに配合することが可能なのか?
とのご質問をいただきました。
セラミドを溶解するのは非常に難しいと言われています。
特に高濃度で配合するためには、粉末のセラミド100%品を使う必要があります。
水溶性にしたセラミド原料は1~10%となり、1%品では4%のセラミドを
配合することは物理的に無理ですから。
で、この100%品を扱ったことがないとこは、加工に困惑すると思います。
水にも油にも溶けないからね。
まあ、原料メーカーに聞けば、溶かし方を教えてもらえるのですが、
自力で正解へたどり着くのは非常に難しいんでないかな。
つまり、初見ではほぼ失敗を経験することから、セラミドは加工が難しいと言われる
原因になっていると思われます。
ぶっちゃけると、溶かすだけならそこまでは難しくないです。
知っているか否か、その差でしかないです。
何が難しいかって、高濃度にセラミドを溶かした場合、
再結晶化しないようにすることなんです。
特に1%を超えてくるような場合は。
再結晶化ってのは、セラミドが溶けていない状態になること。
セラミドの粉末は100%セラミドですので、最も濃度の濃い状態といえます。
しかし、セラミドの粉末をつけても意味がないってのは
感覚的にも理解できるんじゃないでしょうか。
再結晶化とは、セラミドが粉末の状態に戻ると考えてもらって問題ないです。
ただ、この辺の研究ってのは、あんまり活発ではないです。
そもそも、そんなに入れることは稀なので。
ですので、高濃度配合は、その加工先の独自技術ってことになります。
溶解するオイル、使用する界面活性剤に工夫がされていると思われます。
まあ、再結晶化してても正直わからんので、再結晶化していないと
断言することはできないんですが。
で、本題ですが、現在最高値が4.5%。
それを越える濃度、5%とか6%とか入れれば、さらに凄いものができるのか?
って話になるわけですが・・・
結論からいえば、変わらん。
4%も5%も差はないと断言してもよいです。
そもそも4%も必要はないってのが個人的な見解です。
どんな成分も効果が最大となる地点が必ず存在します。
セラミドも例外ではないです。
基本的には濃度に正の相関を示しますが、
必ず頭打ちになる地点があります。
それがどこかってのはまだまだ議論の余地はありますが、
原料メーカーからセラミド1%とか配合したものでの試験を行っていません。
臨床試験ってのはそりゃもう、お金がかかる、かかる。
やったはいいが、有意差ありませんでしたなんてことは、許されないんです。
そのため、想定濃度よりも高くして試験に挑む傾向にあります。
現状でているデータも多めに配合しているものになるわけですが、
1%とか入れているものはありません。
私が知る限りではありますが、セラミド3の0.5%が最高です。
その辺の話は直接原料メーカーに聞いたんですが、
0.2~0.3%くらいが上限で、沢山入れてもセラミドが勿体ないだけだ
ってなことを言っていました。
セラミドは高価な原料ですからね。
もっともセラミドに詳しいであろう、セラミド製造メーカーの見解ですから、
まあ、これ以上正解に近い物はないとは思います。
また、ナチュセラクリームの初期段階の話ですが、
最初は天然ヒト型セラミドを0.3%配合していたんですが、
いわゆる好転反応的なやつが、すげーでたので、0.2%に下げたんですよ。
トラブルは激減しましたが、効果は変わらなかったということがありまして。
やっぱりその辺に最高値が存在しているんだろーなと。
また、現在ナチュセラクリームのセラミド濃度は0.4%以上ですが、
セラミド濃度0.2%のナチュセラ極のほうが効果が高いです。
これはセラミドの中のアシルセラミドという超長鎖脂肪酸の濃度が関係して
わけですが、0.2~0.3%あたりに最高値があるんだろうなーと思う1つの理由です。
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