4-デヒドロエルゴステロールって成分
キリン側は、白麹菌の研究をしており、白麹菌に含まれている
4-デヒドロエルゴステロール(4-DHE)という成分を発見しており、
4-DHEに美容効果があることがわかっていました。
ただ、メカニズムは不明。
白麹菌は一般的に焼酎を作るときに使う菌になります。
黒麹菌から黒い色素を作らない菌が単胞子分離されたものと言われています。
ちなみに日本酒は黄麹、泡盛は黒麹を使用します。
デヒドロエルゴスステロールってのは、ステロールの一種で、
菌類の細胞膜構成成分の1つとなります。
カマンベールチーズの製造過程で生成されることが知られています。
これは白カビ由来のDHEによるものとなります。
アルツハイマー病の予防効果が確認されています。
一方、ファンケル側は皮膚表面に多く存在するアルギナーゼ1が、
角層の保湿機能や肌の酸化、糖化の制御に関わり、美肌効果があることを確認しています。
アルギナーゼはアルギニンをオルニチンと尿素に分解する酵素で、
尿素代謝の必須酵素となります。
肌にも存在することをファンケルが発見し、様々な役割を担っているとする
発表しています。
一方で、花粉やpm2.5で肌がゆらぐわけですが、
これにアルギナーゼが関与しているとも言われています。
このアルギナーゼと4-DHEに関係性があるんじゃないか?
と考えたキリンから、共同研究を持ちかけたって流れのようです。
結論をいうと、4-DHEにアルギナーゼ-1の活性が有意に増加しました。
つまり4-DHEの美肌効果はアルギナーゼ-1の活性化によるものであるってことが
示唆されたということ。
ちなみに、白麹菌抽出物を経口投与することで、
美肌効果があるとのデータがあり、塗布ではありません。
この発表は、おそらくはin vitroなので、4-DHEが含まれる溶液を
細胞に浸したというやり方だと思われます。
つまり、経口投与による効果がアルギナーゼ-1によるものってのを
断定するのはちょっと早いかなーと言う感じ。
関係性はあるのでしょうが・・・
DHEは菌特有のステロールになります。
LPSのように、免疫系に影響を与えるのかもしれないなーと。
LSPは菌の細胞壁に存在する特殊な糖になりますが、
免疫の活性化をすることが知られています。
DHEにも似たような効果があり、結果としてよい影響があるのかもしれません。
もしくはステロースはホルモンの構成成分の1つ。
ステロースはステロイドの特殊な形のものになり、
DHEが何かしらのホルモン様作用をもっているのかも・・・しれません。
なんにしろ、体に良い作用があるというのは間違いないみたいです。
今回の話は白麹菌ってことでしたが、おそらく黒麹菌も4-DHEをもっていると思われます。
なんせ、色が違うだけですから。
つまり、黒麹もろみ粉末にも同様の作用が期待されるのではないかと。
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