防腐剤の皮膚刺激性

だから防腐剤フリーがよい?

防腐剤の皮膚刺激に関する研究が「Journal of cosmetic dermatology」オンライン

に掲載されました。中国の研究だそうな。

 

Skin irritation potential of cosmetic preservatives: An exposure‐relevant study

 

調べられたのは、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、

イミダゾリジニル尿素、DMDMヒダントイン。

 

使用上限の最高濃度でテストしたそうな。

中国の上限って日本と同じなのか?

 

まあ、一緒だと仮定すると、

フェノキシエタノール(1.0%)

メチルパラベン(1.0%)

プロピルパラベン(1.0%)

イミダゾリジニル尿素(0.3%)

※洗い流さないものでの使用は不可

DMDMヒダントイン(0.3%)

※洗い流さないものでの使用は不可

 

日本では洗い流すものにしか使えない防腐剤が2種類も含まれている時点で、

基準が日本と違う可能性を考慮せざる負えないのですが・・・

基本的に中国の化粧品を使う機会ってほぼないのですが、

日本から中国へ輸出されているものは多いです。

中国国内では規則はザルでしかないのですが、輸出の際の書類はメチャクチャ

厳しいんですよ。輸出している人はこの辺も詳しいかもね。

まあ、賄賂でなんとでもなるそうだけど。

 

試験方法はパッチテストと繰り返しオープンアプリケーションテスト(ROAT)を適用。

ROATは1日2回、腕に試薬を塗るってのを何日も連続で行うもの。

日数はどのくらいやったかわからん。

 

また、刺激性のメカニズムを知るために、下記の試験を実施。

・ケラチノサイト細胞毒性アッセイ

・赤血球(RBC)テスト

・鶏卵テスト–漿尿膜(HET-CAM)

 

結果として、すべての化粧品防腐剤が弱い紅斑反応を示すことを示したとのこと。

 

プロピルパラベンは、細胞膜に損傷を生じさせることで刺激性となると推測。

イミダゾリジニル尿素、DMDMヒダントインは、ケラチノサイトへの細胞毒性があったそうな。

 

 

さてさて、結局何が言いたいかというと、

防腐剤はあぶないよってな風評被害を出したいってなことじゃないかと。

 

フェノキシエタノール、メチルパラベンに関しては、

in vitroの試験ではとくに悪い影響はなかったわけです。

しかし、そこには触れず、防腐剤には刺激性があるってな結論をだしています。

 

そもそも、日本では使用ができない防腐剤を引っ張り出してくる

あたりが、結論ありきの試験だったような気がしないでもないです。

プロピルパラベンの刺激性も有名ですしね。

 

パッチテストも、通常ではあり得ない濃度ですから、

まあ・・・と思わなくもない結果です。

 

おそらく近い将来、この論文を根拠に「防腐剤は悪いものだ」と

声高々に主張する輩がでてくると思います。

まあ、そいつが黒幕でしょう。

 

 

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