ブラックベリーを食べて皮膚アレルギーが改善された
「Nutrients」に掲載された内容ですが、ブラックラズベリーを食べることで、
皮膚炎症が軽減される可能性があることが示唆されました。
実験は、まずマウスを2つのグループに分け、1群にはブラックラズベリーを含む食事を与え、
もう一方の群にはブラックラズベリーを含まない食事を与えてました。
食事を与え始めてから3週間後、マウスの耳に感作剤を塗布して接触性皮膚炎を引き起こし、
それぞれのマウスの耳の腫れの抑制効果を測定するというもの。
結果、ブラックラズベリーを食べたマウスでは対照群に比べて耳の腫れが抑えられていた
ことが確認されました。
これは、ブラックラズベリーが、体の免疫反応の開始を指示する
樹状細胞の働きを調節するためだと結論付けています。
樹状細胞ってのは、別名ランゲルハンス細胞で、皮膚免疫を司る受容体を沢山もっています。
外部からの刺激に反応して、その情報を脳へと伝達する役目をになっています。
敏感肌の人は、この樹状細胞が皮膚の表面にまで伸びてきているので、
些細な刺激で荒れてしまうということが起こります。
非常に興味深い点は、これが経口投与であるという点。
樹状細胞は肌の表面にあるものですから、塗布するってのが一般的ですが、
ブラックラズベリーを食べるだけで、効果があるってのが大きな発見だった
のではないでしょうか。
しかも、現実可能な量で効果が得られたわけです。
具体的な量はわかりませんが、バカみたいに投与したわけではないです。
また、エキス化すれば、さらに少ない量でも効果を期待することができます。
もう1つ注目すべき点は、予めブラックラズベリーを与えてから試験を開始していること。
これは炎症が起きているので、飲めば治まるってわけではないってことを意味します。
つまり、予防で飲んでおく必要があるってわけ。
この辺は商品化の1つの障壁となる可能性があるかな。
現状、サプリの原料はブラックラズベリーではなく、ラズベリーとしてしか存在しません。
海外ではあるみたいなので、探せば手に入らないことはないですが。
昔、ラズベリーに含まれる、ラズベリーケトンって成分に脂肪を燃焼させる効果が
あるとかって話があり、ダイエットサプリとして使用された経緯があります。
まあ、これを飲むだけで痩せるかっていわれれば、そんなわけはないのですが、
運動と組み合わせれば、脂肪燃焼の効率はよくはなります。
また、アントシアニンを多く含んでいるので、ブルーベリーと同様、
目に良い食べものとされます。
抗炎症効果については、おそらく抗酸化作用が関わっているんじゃないかな。
あとは、シクロオキシゲナーゼの阻害効果があるそうで、
アラキドン酸カスケードを抑制することになります。
化粧品原料ではキイチゴエキスという表記になります。
抗酸化作用、チロシナーゼ阻害による美白作用なんかがあるとされます。
なお、ラズベリーケトンってのは、白斑問題を引き起こしたロドデノールの原料で、
ラズベリーケトンにも白斑を引き起こす作用があります。
ただ、キイチゴエキスに含まれているのはラズベリーケトンの配糖体なので、
これによって白斑が引き起こされることはないです。
これを機に、ラズベリーに再び脚光を浴びる日がくるかもしれませんね。
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