与えて、作らせる
世界初の植物由来のヒト型セラミドであるくりセラミドの
新しいデータが公開されました。
栗皮から抽出したヒト型セラミドで、型はセラミド6Ⅱ、
超長鎖脂肪酸を有しいるのが特徴です。
まず、1つ目のデータがこちら。
セラミドの浸透性を高める処方ができたって話です。
本来なら、対象として非浸透化をもってこなきゃいけないのですが、
なぜか非処理を合成ヒト型セラミドで行っています。
まあ、これには理由がありまして、ぱっと見、この図だと
合成のヒト型セラミドよりも植物由来のヒト型セラミドは5倍も浸透する・・・
って思っちゃうわけですよ。
そう、それが狙い。
本来は、何かしらの処理でセラミドの浸透性が上がったってデータですが、
あたかも植物ヒト型セラミドが浸透性に優れていると誤認させるためのものになります。
そもそも、これ縦軸が%なので、高浸透化しても5%しか浸透してないんですよね・・・
2つ目はこちら。
セラミド合成遺伝子の活性が確認されたって話ですね。
GBA1はグルコセレブロシダーゼという酵素で、
グルコシルセラミドをセラミドにする酵素。
で、これを産生する遺伝子の発現が増加したってデータ。
m-RNAの量を測定していると思われます。
まあ、これ見て不自然だなって思う人は多いんでないかな。
なぜか合成セラミドの対象区がないっていうね。
最後のフェラグリン遺伝子にはあるのにね。
おそらくは合成セラミドでも試験しているはずです。
ただ、合成セラミドと植物ヒト型セラミドの間に差がなかったから
敢えて載せてないってことだと思います。
ちなみに、同じ試験を小林製薬でも行っており、
こちらはセラミド1、2、3の混合物での実験ですが、
GBA1のm-RNAの量は3倍になっています。
TMG遺伝子はトランスグルタミナーゼという酵素の遺伝子になるんかな。
角質細胞を包むコーニファイドエンベロープ(CE)の形成、成熟促進をする酵素。
フェラグリン遺伝子は、プロフェラグリンをフェラグリンにする遺伝子。
遺伝的なアトピーはこの遺伝子が欠損していることがあるそうな。
これに関しては合成セラミドよりも優位性が示されたそうな。
ただ、これもセラミド単体との比較なので、複数種類のセラミドと
比較した場合、優位性が保てるかどうかは疑問かな。
続いて、こちらは植物ヒト型セラミド配合美容液の優位性を示したい図になります。
合成セラミドよりも2.5倍の効果が植物ヒト型セラミドにはある・・・
と見えなくもないデータですが。
まあ、化粧水と美容液で比較すりゃね。
差はでるでしょうよ。
こういう時は濃度を合わせてもらわないといけないんですが、
当然、濃度は違うでしょうね。
その証拠にセラミドローションは経皮水分蒸散量が悪化しとる(笑)
このデータはちょっち使いにくいですね。
このようなデータを取るのって、かなりお金かかるんですわ。
失敗は許されないので、絶対に差がでるように設定して行われた実験なんでしょう。
学術的なデータを求めているわけではなくて、販促に使えるデータ作り
が目的なんですわ。
ですので、データの公正性とか求めるのは野暮ってなもんです。