羊水をコンセプトにした化粧品
羊水はヒトが生まれて初めに触れる液体です。
赤ちゃんを守り、育む液体ってことで、なんとなく肌に良さそうな
イメージがあるといえるのではないでしょうか?
化粧品のインキコードに羊水ってのが登録されています。
動物の羊水を集めたもので、ヒトではないですけどね。
とはいえ、羊水を使った化粧品ってのは見当たりません。
では、どうのように羊水化粧品を主張しているのでしょう?
①ヒト羊水幹細胞培養液
羊水を作る細胞を培養したら、それは羊水でしょ?
という発想なんだと思われます。
羊水細胞って何?と思ったので、調べたら、そんなものは存在しないんすよね・・・
羊水は羊膜上皮細胞で作られるので、これのことなのかな?
ちなみにだんだんと胎児の尿由来と置き換わっていき、
20週間では完全に入れ替わってしまうそうです。
ヒト幹細胞の中でも最も効果が高いとの触れ込みですが、
とくにエビデンスがあるわけではないです。
表示名はヒト羊水細胞順化培養液となるらしい。
②海洋深層水
羊水はよく海に喩えられます。
羊水は海の組成に非常に近いそうな。
そのため、もうこれは羊水といっても過言ではない(いや過言です)
ってことで、羊水化粧品を主張するというやり方。
塩分濃度だけを合わせてるだけでも、羊水と同じといって、
売っているものもあるみたい。
表示は海水。
③羊膜エキス
馬の羊膜を集めて抽出したもの。
成長因子が豊富に含まれていることから、
プラセンタ(胎盤)エキスを超える成分として注目されています。
羊水ではなくて、それを包む袋のほうを利用しているわけですが、
ぶっちゃけ、①の幹細胞培養液よりも効果は高いです。
ヒトの羊膜エキスは再生医療にも使われるくらい効果が高いですが、
まあ、これはヒトプラセンタと同じで医薬品となり化粧品では使えません。
表示は加水分解ウマ羊膜エキス
④羊水の組成に近づける
羊水の99%は水で、アルカリ性という特性があります。
で、Na、Mg、Ca、Kのイオン量を合わせることで、
羊水に限りなく近いとかなんとかいって販売します。
ホルモンや成長因子なども含まれていますが、
あえてそれは無視します。
そこまで厳密には再現不可能です。
まあ、原価を度外視すれば、やれなくはないですが・・・