血中の亜鉛濃度が影響か?
ニキビ治療に、亜鉛の摂取が行われてきたが、その有効性についての明確な証明は
行われていなかったそうな。
で、今回、その有効性を調べた結果、有効であるとの示唆がでたわけです。
8月29日、「Dermatologic therapy」オンラインに掲載されています。
何をしたかというと、ニキビの患者の平均血清亜鉛レベルが
非ニキビ患者との間で異なるかどうかを検討し、治療における亜鉛製剤の有効性を調べたそうな。
血中ではなくて血清の濃度を調べたのな。
血清は、血液が凝固したときにできる上澄みになります。
血液の凝固因子を除いた液体って感じかな。
で、血清亜鉛の基準値 80~130µg/dL未満と定められています。
亜鉛が不足すると有名な症状が味覚障害。
味細胞の産生には亜鉛が必須で、亜鉛が不足すと味細胞が不足し、
味が感じなくなったり、本来とは異なる味の感じ方となるわけ。
しかし、亜鉛不足はそれだけではなく、結構多岐にわたり問題がでます。
①消化系の働きが悪くなり、食欲不振に
②粘膜の脆弱化による口内炎
③肌の炎症を抑制できないことで、皮膚炎に
④タンパク質合成が抑制による、代謝の低下
⑤免疫力低下により、感染症になりやすい
⑥精子を作るのに必要で、できないことで性機能の低下
⑦骨の形成に関わっており、骨が脆くなる
⑧はげる
などなど、さまざまな酵素の補酵素であるため、
影響が大きいわけです。
免疫力の低下、炎症が抑えれない、代謝が悪くなり傷の治りが遅い、
ってのが重なれば、そりゃニキビもできるわなーって感じです。
んで、結果はニキビ患者は対照者と比較して血清亜鉛レベルが有意に低かったと。
ニキビがある人は、亜鉛不足の可能性が高いってことがわかったわけです。
で、亜鉛を投与した患者と、何もしない患者と比較した場合、
炎症性丘疹の平均数に有意な改善がみられたそうな。
さらに、亜鉛治療薬と亜鉛サプリメントの比較で、有意差はなかったとのこと。
薬でもサプリでも効果は同じだし、副作用も変わらんってこと。
ニキビの原因の1つに、亜鉛不足があるってこと、
ニキビの治療に亜鉛の摂取が有効ってこと、
その2点が明らかになったってな論文になります。
亜鉛のサプリを取るもの1つの手ですが、
亜鉛の多いものを取るようにするのを心がけたいですね。
ちなみに、亜鉛が一番含まれているのは牡蠣。
生牡蠣は最高ですよねー
貝全般にわりと亜鉛は含まれています。
あとは、青魚かな。
余談ではありますが、過剰摂取もヤバイので、
くれぐれも過剰摂取はしないようにしましょう。
過去に精力剤の試作で、亜鉛を使った製品があったんですが、
効果を確認するために多めにとったんですよ・・・
メチャメチャ嘔吐して、死にそうになりました。
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