β-ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)
NMNはβ-ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)を略したものなんですが、
そのサプリが「何で高いのか?」というご質問がありました。
実際に調べてみたら、思ってた以上の価格がついてて、ちょっとビックリ。
うーん、この価格は商業ベースには乗ってないと言わざる負えません。
よく商品化しようと思ったな・・・
まあ、アガリクスも昔はそれくらいの値段で売られていたわけですが、
あれはガン患者やその家族の足元を見てつけられた値段でして、
予防にこの額かけれるヒトが国内にどれくらいいるのやら。
そもそも、NMNとはなんぞやって話ですが、
NADという物質があり、これの誘導体となります。
NADは核とミトコンドリア間のコミュニケーションツールで、
NADが加齢により減少すると、このコミュニケーションが疎遠となり、
ミトコンドリアの活性が落ちていくとのこと。
で、NADを補ってやることで、ミトコンドリアが活性化し、
老化しないどころか、若返ったって話です。
なんと60歳から20歳まで若返った!って話題になりました。
まあ、動物実験ですが。
ただ、この物質の価格は鬼高で、1日必要量を摂取しようと思ったら、
500万円くらい。1月で1.5億円必要になりますね(笑)
そんなものは現実的ではないとのことででてきたのが、NMN。
NAD誘導体ってなわけです。
まあ、NADに比べれば、全然安いですけど、それでも法外な価格です。
動物実験においては、NADと変わらぬ効果が確認されたそうですが、
じゃあ、作ろうとはならない価格です。
マウスがヒト換算で、60歳くらいのマウスが20歳くらいになった、
つまり40歳若返った・・・という話なんですが、
じゃあ、ヒトが摂取すれば、60歳の人が20歳まで若返ることができるか?
といえば、残念ながらそんなことはないです。
まず、動物実験とヒト試験には大きな差がでます。
理由は動物実験は一定の環境下に調整できますが、
ヒトではそれが難しい。
とくに「老化」という複合的な要因が複雑に絡み合ったものだと、
思ったような結果がなかなかでません。
実際、レスベラトロールはサルまでは寿命が延びるってことを確認できましたが、
ヒトに関してはネガティブなデータが多くでてきました。
また、摂取量ですが、このマウスは1日、100mg/kg、もしくは300mg/kgを
摂取し続けたわけです。1年間ね。
つまり、あなたの体重が50kgだったら、1日5000mg取ってたってこと。
また、ネズミにとっての1年はヒト換算だと80年ってことになります。
なかなか現実的ではない話になっちゃうわけなんですよね。
じゃあ、ヒト試験の結果は?と思うかもしれませんが、
2020年になって、ようやくヒトへの投与の安全性が確認されたわけです。
慶應義塾大学医学部で確認されたわけですが、これが世界初ってことなので、
ようやくヒト試験のスタートラインに立ったという状況。
つまり、現段階ではその価格を払ってまで、
摂取する価値があるのかどうかってのはわからない状況。
5年くらいあれば、白黒はっきりするんでないかな?
個人的見解ではありますが、若返るってことはないです。
老化は不可逆的なものなので。
あくまで老化を抑えるって効果になると思われます。
ですので、飲み続ける必要があり、コスト的に難しいかなーと。
あと、糖尿病の予防、アルツハイマーの予防効果のエビデンスがでいますが、
こちらに関しては、期待してもいいんじゃないかな、とは思っています。
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