レチノイド様作用のある原料
レチノールがある種のブームになっている感がありますが、
刺激性が高く、あえてそれを我慢して使うってのは忌々しき事態だと思います。
そのため、レチノールに変わるもの、安全性が高く、かつレチノールと変わらない
効果が得られる原料の模索が活発化してきています。
そんな原料の1つをご紹介。
商品名はステビース。
製造元はルーブリゾール。海外の原料になります。
表示名は水、グリセリン、ステビア葉/茎エキス。
ステビアを亜臨界抽出したものになります。
ステビアは甘味料の1つで、独特の甘味なのでこれで美味しく作るのは
なかなか難易度の高い仕事になります。
まあ、それは置いておいて、化粧品原料では、
抗酸化作用、抗糖化作用、抗炎症作用などなどがあると言われています。
それらの原料と異なるのは、亜臨界抽出されているってこと。
ざっくりいえば、圧と熱をかけて抽出することで、
溶剤を使うことなく、有効成分を余すことなく抽出できるってわけ。
この亜臨界抽出したステビアエキスですが、レチノール様作用があるそうな。
レチノールの作用機上は、コラーゲン産生の分解酵素であるMMPを抑制、
ヒアルロン酸合成促進により、シワの改善があるわけです。
ステビースも同様の効果があり、40~60代の人を21人に対し、
2%ステビースを配合したクリームとそうでないクリームを
1日2回、顔の半分ずつにつけて、28日後の違いを比べるって試験した結果、
シワの範囲は16%減少、シワの長さは17%減少したとのこと。
まあ、レチノールは半年という長期試験をしているので、
同じくらい行えば、大差はない結果になると思われます。
なお、コラーゲン分解酵素であるMMP1については活性を85%、
MMP3に関しては69%抑制したとの結果もでています。
一方、刺激性に関しては、レチノールはレチノイド反応とかA反応とか呼ばれるものが
起こるわけですが、ステビ―ンには抗炎症作用があり、炎症が起こるどころか、
炎症を抑える作用もあるわけです。
HMOX1、これは抗酸化に関わる酵素をコードしている遺伝子で、
ステビースによって活性が9倍になります。
つまり、肌の抗酸化力を上げる効果があります。
TXNRD1、OSGIN1も同様、抗酸化に関わる遺伝子で、
これらの活性が2倍以上となっています。
推奨量は2%とのこと。
現段階では国内での使用実績は確認できていませんが、
非常に興味深い原料です。
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