糖セラミドからセラミドにするってこと
今まではセラミドを得るには、いわゆる合成ヒト型セラミドと呼ばれているもの、
酵母にスフィンゴイドを作らせて、それを脂肪酸とくっつけて作るか、
天然ヒト型セラミドと呼ばれる自然界に存在するものを集めるかの2択だったわけです。
それが、糖セラミドの糖を取ることで、セラミドを得る技術が確立されたそうな。
糖セラミド、グルコシルセラミドですね。
米、小麦、トウモロコシ、コンニャク、パイナップル、モモなどなど、
様々な植物から抽出されています。
まあ、植物ならほぼほぼ糖セラミドの抽出が可能ということです。
つまり、あらゆる植物からセラミドが抽出することが可能となったわけです。
栗の皮から天然ヒト型セラミドが抽出したのは、
大量にでる栗の皮を資源化することが目的でしたが、
それと同様、今までは破棄していたものを資源化し、有効活用できる
可能性がでてきたってわけです。
極端な例では、いろんな植物の捨てる部分を集めて抽出する
サラダ油ならぬサラダセラミドなんてものも可能となります。
非常に画期的な技術ですし、資源の有効活用という意味では
大きな貢献をもたらすことでしょう。
ただ、色々と障壁が多い話ではあります。
①コストの問題
本来は捨てるものなので、原料代はほぼただ同然、
捨てるのにもコストがかかる時代ですから、
それを有効利用できるってのは、それだけでプラスです。
で、実際に糖セラミドを抽出するってだけでも
なかなかのコストなのに、さらに糖を取り除き、
セラミドにするってわけです。
しかも、他では出来ない独占状態なわけ。
おいそれと頼めるような価格でやってくれるわけはなく、
それなりのコストを覚悟する必要があります。
そもそも、天然ヒト型セラミドを販売しているわけで、
それよりも安く売れるような価格でやってくれるなんて
神対応してくれる・・・ってことあり得ると思います?
天然ヒト型セラミドの価格破壊を自らの手で引き金引く
ってことはしないとは思いますけどね。
②販売価格の問題
当然、作るのにコストがかかるので、
作ったセラミドも安く売る訳にはいきません。
利益をださないといけないわけです。
セラミドはそもそも高価な原料なので、高額をつけることができますが、
限度ってもんがあります。
天然ヒト型セラミドより高くなるのは間違いないです。
まあ、自分で作って、自分だけが使うなら問題ないですが、
それなりの量できてしまいますし、
ゴミの資源化ってのであれば、回さないと意味ないですしね。
③エビデンスの問題
動物試験なりヒト試験なりをして、効果を立証する必要があります。
もちろん、なくても良いです。セラミドなんだから効くっしょって感じでもいいです。
ただ、それだと他のセラミドとの差別化ができません。
他のセラミドよりも優れていることを示す必要があるわけ。売るにはね。
まあ、このエビデンス取るのに金がかかるわけ。
当然、これも販売価格に乗っかってくるんですよ。
ちなみにグルコシルセラミド、食べるほうの原料は、
エビデンスをしっかり出すことが求められていて、
その試験代のおかげで非常に高額となっています。
エビデンスのない原料の3~6倍程度になってます。
なお、こちらの原料をサプリでってのはやめておいた方がよいです。
現状、グルコシルセラミドの原料はエビデンスが非常に豊富で、
そのおかげで機能性表示食品の第一号となっています。
つまり、同じだけのデータを用意しないと太刀打ちできません。
機能性表示食品にできないってだけで、かなり厳しい戦いを強いられるのは
明らかですので。
また、配糖体から糖を外すってのはほかの成分でも行われており、
イソフラボンとかアントシアニンとかサポニンとか・・・
吸収性が格段に上がることが確認されています。
ただ、グルコシルセラミドは水溶性ですが、糖をとってしまうと、
水にも油にも溶けない非常に吸収しずらいものになってしまいます。
そのため、お望み通りのデータはでてくる可能性は低いです。
④ニーズの問題
そもそも需要があるのかって話。
バラから抽出したバラセラミドなんてのであれば、
一定の需要はあるでしょう。
ただ、廃棄するものを有効活用しようって話なので、
素材の選択肢はあってないようなものです。
ニーズとマッチするものを持っている確率なんて、
ほぼ奇跡といえるようなもんでしょう。
まあ、ニーズを作るのがコピーライターの仕事なんでしょうが。
全部クリアできるのであれば、ワンチャンあるかなー
という感じ。
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