アトピー性皮膚炎に対する治療薬として、適応追加承認を申請
アッヴィ合同会社がウパダシチニブ水和物について、
中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する患者の治療薬として、
適応追加承認を申請したってニュースが連日流れてくるんです。
まあ、それだけ注目されているってことなんでしょう。
ウパダシチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬。
低分子でJAK1を選択的に強力に阻害することで知られています。
今年1月にはリウマチ治療薬として認可されています。
だから追加承認を求めているってわけですね。
ヤヌスキナーゼは細胞外からの刺激を細胞内へ伝える酵素群で、
JAK1、JAK2、JAK3、TYK2の4種類からなります。
サイトカイン受容体に結合して、サイトカインの刺激を細胞の核へ伝え、
細胞分裂の活性化、炎症物質の産生などが起こります。
イメージとしては、蛇口の栓みたいなもので、
JAKがないと閉じた状態で、サイトカインの情報伝達が止まります。
つまり、このJAK阻害剤はサイトカインの蛇口の栓を閉じたままにするものです。
従来の治療薬はサイトカインの産生を抑えていたのですが、
次々産生されるサイトカインをどうこうするのは効率が悪く、
情報伝達のキーであるJAKを抑えることで、従来よりも効率的に
炎症反応の流れを断つことができるというわけ。
まあ、より効くってことやね。
リウマチに対して、従来の薬が効かない場合に用いられ、
有効性が確認されています。
中等症から重症の成人および青年のアトピー性皮膚炎患者を対象に実施した試験では、
16週間投与で75%以上の改善が見られたそうな。
アトピー性皮膚炎への使用が認められれば、1日1回投与の経口剤でよくて、
中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者に、新たな全身治療薬の選択肢を
届けることが可能になります。
副作用としては、感染症(結核、帯状疱疹、肺炎、敗血症などの重篤な感染症を含む)、
肝機能障害、白血球の減少、貧血、消化管の穿孔、血液中のコレステロール値の上昇などが
みられることがあるとのこと。
免疫系を抑えるものなので、感染症になりやすくなるのは仕方がないことですが、
昨今ではちょっと使いづらいかもなーと思わなくもないです。
対象が大人なので、幼児のアトピーにはおそらく使えないってこと、
あとは使用を止めても再発しないかってところが懸念としてはあるかな。
おそらくリウマチに関しては常用することになると思います。
あくまで抑えるもので、治るわけではないですからね。
ただ、アトピーは見た目だけで言えば治るわけです。
75%改善というのは、驚異的な数字です。
治ったといって、薬を止めてもいいのか、
継続投与が必要なのか、その辺は気になるかな。
経過観察の情報が今のとこでてないので。
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