時代だねー
SNSの発達で、個人の情報発信が用意になってきたわけですが、
それを利用した商品開発ってのを目にしてね・・・
消費者に直接、どんな商品が欲しいかってのを聞くわけさね。
で、個々人が自分の求めるものを意見していくことで、
その意見を集約して商品開発しようってな試みになるのかな。
みんなで一緒に作っていこう、みたいな。
商品開発ってのは潜在的なニーズを見つけ出し、
それを形にしていくわけですが、直接欲しい物を聞けば、
売れるものが容易にできる・・・って思うじゃん?
現実はそうでもない・・・ってのを現場を見て思い知らされましたね。
試みとしては面白いのですが、いくつか問題点があるなー
と感じたので、そのお話を。
それらがクリアできるのであれば、非常に有効なマーケティングとなるとは思います。
①期待値が上がり過ぎる
正直、できることなんて限られているわけなんすよ。
有効成分を沢山いれれば、コストがかかるのは、言われなくとも分かっているわけです。
その辺のバランスをどうとるかって話でしかないわけで。
それが意見が積み重なっていくにつれ、夢見がちな意見になっていくというか・・・
まあ、消費者目線でいけば、当然安くて容量も多くて、効果もあるってのが理想
ってのはいうまでもないわけで、そういう方向へと集約していくわけですよ。必然的にね。
で、価格はどんどん低く見積もられ、効果はうなぎ上りに求められるってな感じになります。
医薬品レベルに効果があるけど、価格は1000円代みたいな。
当然ではありますが、そんなものはできるわけなくて、
だれもが納得できる着地点を探るわけですが、
期待値があまりにも高くなり過ぎて、丁度よい落としどころが
見つからないってな状況になりうるわけです。
期待は失望の母といいますが、素晴らしい商品であっても、
期待値を下回れば、ガッカリされることになります。
ハードルはギリギリ超えれるくらいが理想ですが、
この方法は勝手にハードルが上がっていくという問題を孕んでいます。
②あちらを立てれば、こちらが立たず・・・
相反する意見がでてくるわけですよ。
当然のことではありますが。
例えば、においはないほうがよい、香料は不要だという意見があれば、
においで癒される、香りを化粧品選びの重要項目としているって意見もあるわけ。
例えば、オイルは不要だからオイルフリーが良いって意見があれば、
オイルは必須って意見もあるわけ。
妥協点ってのがないわけですよ。
どっちらか選択しなきゃいけないわけ。
まあ、全部の意見を活かそうってなことは、はなっから思ってもいないでしょうけど、
どちらを選択するにしろ、選ばれなかったほうは不満となる部分が確定している
って状態になるわけです。
③ターゲットを絞れない
どんな商品に仮想のターゲット像ってのがあって、
ある程度絞ったターゲット層を想定しているものです。
間違っても、全方位に向けて商品展開するってことはしません。
それが如何に愚かなことかってのは、マーケティングに携わる人間で
あれば常識なわけです。
ターゲット層が絞れていない商品は100%売れません。
断言してもよいです。
資金が豊富でマスに広告展開できる超大手であっても、
成功することはないです。
しかしながら、先に意見を求めることになり、
その意見を求めているのは全方位になっているわけです。
そのまま進めば、失敗が確約されている商品作りをすることになります。
まあ、少数の意見はバッサリ切り捨てることになるんですが、
抽出した意見のセグメントがどうなっているのかってのは、わかんないんですよね。
順番が逆になるわけですから。
ターゲット層を決めて、商品を作るのではなくて、
商品を決めて、ターゲット層を想像するわけです。
なかなか難しい作業になると思われます。
もちろん、想像もできない新しいカテゴリーが見つかるって可能性もありますが、
そりゃもう、ギャンブルでしかないです。