ラウリル硫酸Na

 

ラウリル硫酸Naをごく少量混ぜれば汚れ落とし系製品で奥の汚れまで落とすけれど

何もかも根こそぎ落としきらない製品になり、
基礎化粧品ならよい成分を浸透させることができる、ということはないのでしょうか?

 

というご質問がありましたので、お答えしていこうかと。

ラウリル硫酸Na、もしくはラウレル硫酸Naなどは洗浄力が非常に高く、

起泡性も非常に優秀な洗浄剤です。安価であるとうのも魅力の1つ。

 

ただ、洗浄力が高すぎるため、落としすぎて頭皮によろしくないといわれています。

さらに刺激性が高く、皮膚を炎症させるためのパッチテストで使われるほどです。

 

じゃあ、少量で使えば良いとこ取りできるんでないか?

そのような疑問も当然かと思われます。

 

洗浄力が高すぎるなら、ラウリル硫酸Naの配合量を抑えれば、

洗浄力コントロールできるってのは確かです。

洗浄力=落とすべき汚れ となる最適なところに設計できれば、

たとえラウリル硫酸Naを使用していても、それは素晴らしいシャンプーとなるでしょう。

 

ただし、この最適値ってのは個々人で異なります。

なんなら、一個人でも日ごとに異なります。

そのため万人受けする商品を作りにくいわけです。

 

ラウリル硫酸Naを使うものは、基本的には低価格帯での商品となり、

大量製造、大量販売の薄利多売な商売をすることになるので、

誰が使ってもシャンプーとして機能するような量に調整せざる負えないわけ。

 

また、日本人は泡が好きなんで、モコモコ泡ができるような量は

入れておきたい、という側面もあります。

 

では、他の洗浄剤をメインに、ラウリル硫酸Naを微量加えた場合は?

この場合は、ラウリル硫酸Naの良いとこ取りができる可能性が高いです。

さっぱりするけど、乾燥しない的な?

 

ただ、悪名高いラウリル硫酸Naをわざわざ使うというのは、

販促面ではマイナスでしかありません。

わざわざ高価なアミノ酸系の洗浄剤を使って商品を作るってことは、

こだわりをもった客層をメインにとらえているはずです。

当然、その客層はラウリル硫酸Naを嫌う傾向にあります。

 

また、ラウリル硫酸Na自体の刺激性はどうしようもなく、

微量でも反応する人がいます。

 

 

基礎化粧品への利用については、ラウリル硫酸Naを乳化剤として使う

ってことでよいかな?

 

ラウリル硫酸Naは界面活性剤ですので、理論的には乳化も可能だとは思います。

ただ、刺激性が高い、タンパク質変性を起こすという問題があり、

洗い流さないものに入れるのは、リスクしかありません。

安全性の高い乳化剤が豊富に存在する昨今で、あえてハイリスクの

ラウリル硫酸Naを使う必然性がないというほかないです。

 

浸透性を促進するってこともないです。

 

毒も使いようによっては薬となり、薬も量を誤れば毒となるわけで、

ラウリル硫酸Naも使いようではあるとは思います。

ただ、好んで使いたいとは思わないってのは個人的な意見です。

 

 

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