セラミド関連の論文
宮崎県工業技術センター・宮崎県食品開発センター研究報告に
掲載された内容になります。
2018年2月のものなので、ちょっと前ですな。
宮崎県と霧島酒造の共同研究になるのかな?
てっきりジェヌイン絡みかと思ったのですが、どうも別件らしい。
宮崎県って焼酎の出荷量が日本一らしい。
宮崎と聞くとピーマンってなイメージしかないけど。
で、年間30万tもの焼酎粕が発生し、その処理が問題となっているんだとか。
昔は海に捨ててたらしいんですが、それが禁止され、
処理するのに結構なコストがかかり、頭を抱えている状態だったのを
打破するための1つの案ってことのようです。
もともと天然ヒト型セラミドもそのような経緯からできたものなんです。
もっとも、現在は醤油粕から生成してる状況ですが。
で、天然ヒト型セラミドの精製方法は、確かに付加価値の高い
利用方法として注目されたのですが、実際問題、9割近くを占める
液体部分が丸々残ってしまうので、根本的な解決にはならなかったそうな。
セラミドは水に溶けないので、固形物を集めて、
溶媒で抽出するわけです。
焼酎粕は非常に栄養価が高く、液体部分を培地にして、
麹菌にセラミドを作らせようってな内容となっています。
YPD培地と比較すると、圧倒的にセラミド産生が高かったそうで、
組み合わせるとさらにたくさんのセラミドができたそうな。
なお、セラミドは遊離セラミドで、グルコシルセラミドではないです。
まあ、天然ヒト型セラミドってなわけです。
YPD培地は酵母を培養するときに使用する培地です。
1、2回くらいしか作ったことねーわ。
この報告が何を意味するかというと、
1つは捨てるのにお金がかかる焼酎粕を有効利用して、
お金を生むものに変えることができる可能性の示唆。
まあ、本来の目的を達成できるかも・・・って話。
もう1つは、天然ヒト型セラミドが安価に大量に入手できるので、
天然ヒト型セラミドの価格が下がるかも・・・
まあ、培養する手間が増えるので、大幅に下がるってことはない
とは思うけどね。
どこが販売するかって問題もあるしね。
最後に、これが重要なんだけど、焼酎粕には
セラミド産生を促進するような物質が含まれているのではないか?
ってことが示唆されているわけ。
で、焼酎もろみ粉末は固形部分と液体部分の両方の成分を含んでいるわけ。
水分を飛ばしているだけですからね。
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