抗腫瘍活性が期待されるスフィンゴ糖脂質
ガラクトシルセラミドといえば、馬セラミドと呼ばれるもので知られますが、
抗ガン作用のほうで高い注目を集め、研究が盛んにおこなわれているそうな。
化粧品で使われているものは、馬の脊髄から抽出したもので、
セラミド産生を促進することが知られています。
今回は免疫強化剤としてのがガラクトシルセラミドについてのお話。
α-ガラクトシルセラミドはセラミドにガラクトースという糖がくっついたもの。
よく目にするのはグルコシルセラミドで、こちらはグルコースがくっついています。
沖縄に生息する海綿の一種Agelas mauritianusから抽出・分離されたものに
高い抗ガン性があるとして、フナコシとキリンが共同研究しています。
海綿ってのはこんな感じの。
動物に分類されるそうな。
サンゴとかに近いやつなんかね?
抗原提示細胞の一種であるCD1dのリガンドとして複合体を形成することで、
NKT細胞を強力に活性化することで、免疫強化が行われるそうな。
抗原提示細胞というのは、侵入してきたウイルスや細菌を取り込み、
その一部を細胞表面に提示し、各種免疫細胞へ情報を提供する細胞。
まあ、文字通りです。
NKT細胞はT細胞、B細胞、NK細胞に次ぐ、第四のリンパ球。
NK細胞とT細胞の両方の性質を併せ持つ免疫細胞になります。
NK細胞はナチュラルキラー細胞で、病原体などを直接叩く役割を担っており、
T細胞はサイトカインを分泌して、他の免疫細胞を活性化させたり、
抗体を作ったりします。
で、本来は抗原となるタンパク質を提示するところに、
ガラクトシルセラミドが提示され、それを受けてNKT細胞が活性化されるってなわけ。
抗ガン作用などの免疫賦活作用がある一方、
抗アレルギー作用もあり、免疫制御作用もあるので、
ぜんそくやアトピーなんかにも効果的なんだそうな。
NKT細胞は発見されて歴史がまだ浅いので、何で活性化されるか
よくわかっておらず、唯一確実に活性化できるのがこのガラクトシルセラミドなんだとか。
医薬品として扱われているっぽいので、
化粧品やサプリでの利用は難しいのかね?
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