セラミド産生促進作用が見つかる?
花王の研究発表で、トウセンダン果実エキスにセラミドを増やす効果があるのを
見つけたってな話。
花王は疑似セラミドをメインにしており、ヒト型セラミドを避けている傾向にあるんですが、
セラミド研究においては国内No.1の企業。世界で見ても上位といってもいいです。
そんな花王にとっては、この話は吉報だったことでしょう。
角層中のセラミド量を増やす成分を探索するため、
ヒト表皮細胞の培養液に約1,600種の植物エキスをそれぞれ添加。
1,600種が何かはわかりませんが、その中でセラミド産生がもっとも増加した
植物エキスが、トウセンダン果実エキスだったと。
トウセンダンの果実は医薬品区分ですが、効果を謳わなければ使える原料です。
まあ、サプリの話ですが。
果実の皮を乾燥したものが「苦楝子」という生薬となります。
整腸目的で腹痛や下痢なんかを抑える効果があるとか。
また、果実には肌荒れに効果があるとされ、
すりつぶした果実をあかぎれあかぎれやしもやけの患部に塗られていたとか。
ちなみに、「川楝子」と呼ばれ、鎮静剤として使われるそうな。
この抗炎症作用的なものが、セラミド合成を促進することと
関係しているんでないかなーと思われます。
唐栴檀という字を書き、唐ってのは海外から入ってきたものという意味。
栴檀の部分は由来が不明なんだそうです。
化粧品原料としては、今のところ存在しないようです。
特許の兼ね合いがあったのなか?
もう少しで切れるので、このタイミングになったのかな?
トウセンダンの果実エキス入りの化粧水と、入っていない化粧水を用意し、
8週間にわたって、連続使用をした結果、トウウセンダ果実エキス入りの化粧水を
使った群では、セラミドの総量、とくにセラミドNPが有意に増加したとの結果に。
今後はキュ●ルとかに配合して、セラミド産生促進効果を訴求していくのかな?
疑似セラミドで即効性を、トウセンダン果実エキスで持続性を出していく
という非常に理にかなった作りになると思われます。
気になるのはトウセンダン果実エキスの原料がないので、
そこからの開発となると思われます。
実験で使われたのは、ただの果汁である可能性があり、
しっかり抽出したものになれば、さらに効果が期待できるのではないかと。
あとは、ナイアシンアミドと比較して、どの程度優位性があるかってとこか。
セラミド産生促進原料は色々とあり、有名なところでは
ライスパワーNo.11、馬セラミドことセレブロシドとかがあります。
で、ポジティブコントロールとしてナイアシンが使われるわけですが、
ナイアシンと比較して、最低でも遜色ない効果が求められます。
ライスパワーもセレブロシドも非常に高価な原料なので、
コスパはあんまり重要ではないのかもしれませんが、
キュ●ルは低価格層の商品群となるので、その辺も重要かも。
まあ、何はともあれ、今後の動向に注目です。
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