細胞から分泌されるコラーゲン量が8倍!??
ファンケルからの研究発表です。
エクトインとは環状アミノ酸の一種で、海洋性細菌並びに好塩性細菌などの細胞内から
見つかっており、耐塩性に関与しているといわれています。
分子量142.16の水溶性なので、真皮まで浸透することができると思われます。
エクトインほすでに化粧品原料として存在しており、
多くはないですが実際の化粧品に配合もされています。
以下、エクトインの化粧品原料をご紹介しておきます。
過酷な環境下でも生き抜く細菌から取れるので、
アンチポリューション効果が高いのではないかと考えられています。
実際、HSP(ヒートショックプロテイン)の産生を高める効果があるされます。
弊社でも過去に使用を検討していたのですが、
どうも荒れたって声が多くて、使用を断念したことがあります。
繊維芽細胞の培養液にエクトインを入れて培養すると、
コラーゲンの分泌量が加速していき、最大で8倍にも達したそうな。
その要因として、細胞外へコラーゲンを排出するタンパク質Predを
増加させることで、コラーゲン分泌量の増加につながったのだとか。
つまり、エクトインがコラーゲン産生を促すのではなくて、
Predというコラーゲンの運搬役を増やす効果があって、
結果としてコラーゲンの量が急激に増えると。
おそらくHSPが関わっているんだろうとは思われます。
HSPはダメージを受けたことを知らせるための物質で、
そのシグナルを受け、抗酸化物質を作って防衛体制を整えたり、
修復作業を活性化させたりするわけです。
その一環として、コラーゲンの分泌量増加があっても不思議ではないです。
8倍という驚異的な数字をたたき出しているわけですが、
あくまでin vitroの話であって、どこまでin vivoでも通用するのか
ってのが気になるところ。
あとは、抗炎症作用も確認されているとのこと。
これもHSP関連での作用だと思われ。