α-グルコシルルチンがヒトiPS細胞の代謝を活性化

幹細胞の代謝を活性化するってことでよい?

タカラベルモント株式会社と東京工業大学 科学技術創成研究院

ゼロカーボンエネルギー研究所との共同研究の研究発表になります。

 

α‐グルコシルルチンが ヒトiPS細胞の代謝を活性化することを明らかにした、

とのことなんですが・・・

 

α-グルコシルルチンが幹細胞を活性化する効果が見つかったのか!?

と思ったんですが、「ヒトiPS細胞」なんですよね。

iPS細胞ってのは、遺伝子組み換えによって細胞に

人工的に多能性を付与した細胞のこと。

まあ、人工的作られた幹細胞のことです。

 

当たり前ではありますが、我々の体の中には存在しない細胞です。

これを幹細胞に見立てて、α-グルコシルルチンの有用性を証明した

ってことであってる??

 

ただこの試験、iPS細胞のほかに、線維芽細胞、iPS細胞由来表皮角化細胞

にも同様の試験を行っているんですよ。

で、結果がでたのがiPS細胞だったってな記述があるんです。

逆にいえば、線維芽細胞にα-グルコシルルチンを与えても

効果がなかったってことになります。

 

・・・ダメじゃん。

 

一応、表皮角化細胞ではヒートショックプロテインの増加が確認されたそうですが、

これはiPS細胞由来だからなのか、それは関係ないのかは定かではないです。

 

 

 

NB1RGBってのが線維芽細胞。

C2、201B7がiPS細胞。

α-グルコシルルチンを添加したときの代謝活性をみたもの。

 

なるほど、確かにiPS細胞だけが代謝活性が上がっているね。

(オーバードーズしているけど)

線維芽細胞は代謝が低下しとるやんけ・・・

 

まあ、滅茶苦茶不思議な現象ではあり、

再生医療でiPS細胞を使用するようになってはくると思いますので、

その際には、非常に意味のある実験結果ではあるんですけどね。

 

残念ながら化粧品への応用ってのは難しいかなー

 

ルチンってのはそばなどに含まれているポリフェノールの一種。

毛細血管を強化する働きがあり、いわゆる血流改善効果があるとされます。

このルチンに糖であるグルコースをくっつけたものが

α-グルコシルルチンで、ルチン誘導体と呼ばれるものです。

 

これに限らず、配糖体ってのは、肌で分解できんのよね。

ですので、α-グルコシルルチンを化粧品に配合したとて、

ルチンになるわけではないです。

 

なので、化粧品に配合したとて、保湿以外の効果は期待できないかなー

 

 

【関連記事】

幹細胞コスメへの誤解

 

<<<前           次>>>