これ作れるのか?!
頭皮の脂漏性皮膚炎のための新処方シャンプーを評価したパイロット研究の
結果が11月18日、「Journal of Cosmetic Dermatology」オンラインに掲載されました。
頭皮のフケや痒みといった症状が生じる脂漏性皮膚炎には
一般的にさまざまな抗真菌性シャンプーが使用されるケースが多いです。
フケの原因が菌ってことで、それを殺してしまえばよいって発想。
しかしながら、頭皮の菌叢への影響か、使い続けると弊害がでてきます。
で、この研究では抗炎症剤であるグリチルレチン酸を抗菌剤の代わりに使用し、
そのシャンプーの有効性を評価したというお話。
34人を対象に、グリチルレチン酸を6%配合したシャンプーを使用してもらい、
2週間目、5週間目に評価するという試験です。
結果は、皮膚の生活の質指数(DLQI)の改善がされたとのこと。
使用前よりもフケや痒みがなくなったってことです。
付着性頭皮剥離スコア(ASFS)も大幅に改善されていることからも、
それが読み取れます。
まあ、そりゃそうだよなーという結果ではあります。
頭皮の菌叢も変化しており、細菌ではCutibacterium acnesが増加し、
Staphylococcus epidermidisの減少しました。
Cutibacterium acnesはアクネ菌のことで、
Staphylococcus epidermidisは表皮ブドウ球菌になります。
うん?これは良いことなのか?
通常、アクネ菌はニキビの原因とされるもので、
表皮ブドウ球菌は善玉菌として扱われています。
おそらくですが、このシャンプーの使用を中止したら、
何かしらの問題が発生する可能性が高いです。
真菌ではMalassezia restrictaとMalassezia globosaの両方が減少しました。
どちらも脂漏性皮膚炎の原因となる菌で、従来の薬用シャンプーは
これらを殺菌するものだったわけです。
殺菌剤を使わずに、菌の減少を促せたというのは意味があるとは思います。
まあ、結果はさておき・・・
グリチルレチン酸を6%も配合したシャンプーなんて作れるのか?
グリチルリチン酸ジカリウムは使用に上限があり、
粘膜に使わない化粧品であれば0.5%、洗い流すものであれば0.8%まで
配合できます。
グリチルレチン酸ステアリルは、医薬部外品であれば上限があり、
薬用化粧品では0.3%、洗い流すものであれば0.8%まで配合できます。
医薬部外品でなければ?
意味がわかんないのですが、上限がないんです。
ですので、6%配合することも可能といえば可能。
まあ、製造メーカーがよしとするかは知らんけど。
世の中にはグリチルレチン酸がめっさ入った化粧品が存在するのかもね。
今のところ、見たことないけど。
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