セラミドを運ぶ力を高める
富士フィルムによって、セラミドを運ぶ力を高める成分として、
アセンヤクエキスが見出されたって話を以前したような気がしたのですが、
まだしてなかったのなー
アセンヤクってのはガンビールの木の生薬名(阿仙薬)。
ガンビールってのはアカネ科カギカズラ属の植物です。
阿仙薬は整腸作用があり、正露丸なんかにも使われています。
アセンヤクエキスは葉や茎から抽出したもので、タンニンを多く含んでいます。
原料としては丸善製薬が取り扱っています。
漢方、生薬系のものは丸善製薬探せばだいたい見つかります。
この成分は美白成分として推しているんですが、
メラニンをメラノサイトに運ぶのを阻害する効果があるそうです。
メラニンの輸送を邪魔するのに、セラミドの輸送を促進するってのは
ちょっと面白いですね。
アセンヤクエキスを3%配合した溶液がセラミドトランスポーターである
ABCA12の遺伝子発現が8.8倍になったとか。
ABCA12は重篤の魚鱗癬の原因の1つとして見つかったタンパク質で、
この遺伝子に異常があると魚鱗癬になります。
こんな感じで脂質を運搬し、細胞膜の外へ押し出す役目を担っています。
セラミドトランスポーターといっていますが、正確にはセラミドを
運んでいるのではなくて、セラミドを含む脂質を運搬しているタンパク質となります。
富士フィルムはストレスによって、ABCA12が減少し、
バリア機能の低下が起こることを発見しています。
おそらくはストレスホルモンが、ABCA12遺伝子の発現を抑制するのでしょう。
ストレスで肌が荒れる原因の1つがこれなんでしょう。
アセンヤクエキスがABCA12の発現を促進⇒ABCA12が増える⇒セラミドが増える⇒バリア機能が回復する
ってな流れになるようです。
正直、セラミドが運搬されるというより、脂質が運搬されることで、
角質の剥離が抑制されることによるものなんでないかなー
と個人的には思います。
とくにセラミドが運ばれたってなエビデンスがあるわけでもないですし・・・
まあ、皮膚形成にはABCA12は必須のタンパク質なので、それが増えるってのは
よいことであるのは間違いないですけどね。
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