ミシマサイコの葉から抽出物
ミシマサイコ(三島柴胡)はセリ科の植物で、
根が生薬として用いられます。
有効成分はサイコサポニンで、a~fと複数の種類が存在します。
薬効としては消炎、解熱作用などがあります。
神経の昂りを抑える効果なんかもあります。
今回は、根ではなくて葉のほうから抽出したエキスが
三省製薬より化粧品原料として発売しました。
ミシマサイコ抽出液1%で、過酸化脂質化を94.3%抑制できたというデータ。
0.1%でもそこそこの数値がでているので、低濃度でも抗酸化作用が期待できます。
まあ、抗酸化成分は他にも色々あるので、抗酸化の目的で
ミシマサイコ抽出液を選ぶってことはないかな~
漢方系にこだわるってのでもない限りはね。
活性酸素除去作用は、0.6%で58%なので、
活性酸素を除去するというよりは、酸化防止効果の方が高いように思われます。
なぜ、0.1%と1%ではなく、0.6%なのかは謎ですけども。
おそらくはサポニンにより、抗酸化作用があるのだと思われます。
炎症下では、各種分解酵素が活性化します。
そのうち、エラスチンを分解する酵素、エラスターゼと
コラーゲンを分解するコラゲナーゼについて調べています。
通常は細胞にエキスを入れて、これらの酵素活性が低下したってのを見るんですが、
これは抗炎症によって、炎症が抑えられた結果である場合がほとんどです。
この場合は、すでに炎症しているところには効果がほぼ期待できません。
しかし、この実験は直接酵素の活性を見ているってのが面白いです。
つまり、炎症下であっても、分解酵素の活性を抑えることができるというわけで、
この直接的に酵素活性を抑制するってのは珍しいです。
活性を70%近く抑制しているわけで、活性を1/3以下にすることができると。
ただ、濃度がちょっと高すぎないか?
抗酸化の実験では1%だったのに対し、5%と10%だからなー
1%では抑制効果があんまりないのかな?
メカニズムはよくわかりませんが、たぶんpHが変わるからではないかなーと。
酵素には最適pHってのがあるわけで、そこからずれると、活性は落ちます。
酸性、アルカリ、どちらに振れてもね。
そのために、ある程度の濃度が必要になったんでないかな。
まあ、推測ですので、間違ってるかもですが。
ぶっちゃけ、メインをはれる原料ではなく、
あくまでサブでの使用になると思われます。
メインでない原料を10%も配合するってことは、
まあ、ないでしょう。
作用は面白いんですけどねー
表示名は水、BG、ミシマサイコ葉エキス
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