ウロリチンAとはなんぞ?
Effect of Urolithin A Supplementation on Muscle Endurance and Mitochondrial Health in Older Adults
ウロリチンAの摂取が高齢者の骨格筋に与える影響を検証した論文になります。
「AMA Network Open」オンラインに掲載されています。
ウロリチンAとは何ぞやって話ですが、
エラグ酸を体内へ摂取したとき、腸内細菌によって
変換される物質がウロリチンAなんだそうな。
エラグ酸はザクロに多く含まれており、
ザクロエキスはだいたいエラグ酸が規格化されています。
ただし、エラグ酸をウロリチンAに代謝できるヒトは
だいたい半分くらいで、半分はウロリチンAを産生できないそうな。
これは腸内細菌に依存しており、エラグ酸をウロリチンAに
変換できる細菌が腸内にいるか否かってことのようです。
なんかどっかで似たような話、聞いたな。
腸内細菌によってはイソウロリチンA、ウロリチンBにもなるそうですが、
ウロリチンAを生成する菌を特定、高濃度のウロリチンAの産生に成功し、
サプリの原料として流通しているそうな。
今回の研究では、65~90歳の高齢者66人を対象とした4か月間のランダム化臨床試験を実施。
1000mgのウロリチンAの補給を受けた人とプラセボを使用した人とを比較しました。
調べた項目は
・6分間の歩行距離
・手足の筋肉の筋持久力
・ミトコンドリアと細胞の健康に関連するバイオマーカー
その結果、1000mgのウロリチンAの補給により、
手と脚の両方の骨格筋の筋耐久性が大幅に改善しました。
簡単にいうと、疲れにくくなったと。
また、疲労物質がウロリチンA摂取後に減少していることから、
疲労回復効果も期待されます。
販売当初は サーチュイン遺伝子発現増強効果があると謳っていました。
サーチュイン遺伝子とは、長寿遺伝子と呼ばれるもので、
レスベラトロールにそのような効果があるといわれ、
一時もてはやされたものです。
ぶっちゃけ、効果がわかりにくいことからレスベラトロールは
下火となってしまったことから、サーチュイン遺伝子がーって
いわれても、訴求効果は皆無でして。
そんな中、新しい効果が確認されたってのは朗報かな。
個人的にもサーチュイン遺伝子を活性化するといわれても、
これは売れないって思ってましたが、筋肉を強化するってので
あれば、ちょっと飲んでみたいと思いますもん。
問題は2点。
1つは1000mg取るってのはちょっと現実的ではないです。
エラグ酸って結構高価な原料になってくるので、
エラグ酸1000mgでもかなりコスト的にキツイのです。
当然、エラグ酸を素に加工されているウロリチンAは
さらに高額になります。
もう1つは取り扱いメーカーがダイセルなんよなー
エクオールの時に問い合わせたことあるんだけど、
中小零細お断りなんですよね。
つまり、うちでは取り扱いできないのですよ。
また、そのためか現状ウロリチンAのサプリは流通してないんですよね。
どっか大手がエクオールの時みたいに大々的にやらんと
世に出てこない可能性すらあります。
まあ、55%はエラグ酸でもOKなわけですし、
こちらの研究結果では60~80%とでているので、
ほとんどの人はエラグ酸をウロリチンに変換できるんでないかな。
ヒトの腸内微生物群によるエラグ酸代謝:食品源,年齢及び健康状態によらない
太ってる人はウロリチンAではなくてBになる割合が多いとか・・・
BMIが1つの指標になるかもしれませんね。