14-デヒドロエルゴステロール
ファンケルとキリンの共同研究で開発された新規成分。
白麹の培養液に含まれる14-デヒドロエルゴステロール(14-DHE)に
美肌作用があることを発見したとのこと。
表示名はアスペルギルス培養物
アスベルギルスは麹菌のことです。
白麹は黒麹の変異種で黒い色素を作らない麹菌になります。
主に焼酎の製造に使用される菌です。
白麹の培養液にステロールの一種である14-DHEを同定、
高含有化したものを原料化したと。
動物のステロールはコレステロールと呼ばれているもので、
植物ステロールはダイズステロールなどがよく使われます。
効果としてはアルギナーゼ1を活性化することが確認されています。
アルギナーゼ1とは何ぞやって話ですが、
アルギニンをオルニチンと尿素に加水分解する酵素になります。
肝臓に多く存在し、アンモニアを尿素に変えるオルニチン回路で
重要な働きをしている酵素です。
一方で免疫系でも重要な仕事をしており、
免疫抑制系のサイトカインによっても誘導され、
抗炎症に関与しています。
アルギニンは一酸化窒素を生成するのですが、
アルギニンを分解することで、一酸化窒素の生成を抑制。
活性酸素の抑制につながり、これにより炎症を抑えると
推測されます。
平たく言えば、14-DHEには抗炎症作用が期待できるってことやね。
あとはポリアミンの生成に関わっているそうな。
アルギナーゼ欠損のマウスではポリアミンの血中濃度が著しく低下した
ことから、ポリアミンの生成にも関わっていることが示唆されました。
ポリアミンは細胞分裂の際に必要となってくることから、
代謝に大きな影響を与えます。
昨今では粉ミルクにも含まれている成分です。
14-DHEの経口投与で、肌質の改善効果が確認されていることから、
黒麹もろみ粉末を摂取することの意義がさらに増えた感じです。
化粧品としては、上記のデータが公開されています。
健常皮膚を有する50歳以上の女性32名に、白麹菌抽出物入り美容液と無配合美容液を
それぞれ指定した左右顔半分に、朝晩のスキンケアで使用。
使用前と使用4週間後に肌測定を実施した結果になります。
使用前と使用後では有意な差がでていますが、
無配合との間では有意な差はないかなー
肌のキメに関しては有効性があるといえるかな。
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