またセラミドの種類増えとる(汗)
2022年6月の話ですけど、北海道大学からヒト角質層セラミド分子種の全容解明
ってな発表がありまして。
北海道大学といえば、セラミド研究の最前線を走っているところなんですが、
ついにヒト角質層のセラミドの全容を明らかにした!と発表したわけです。
元々はヒト型セラミドは7種類といわれており、長くそういわれてきました。
セラミドを数字でいうのがその名残です。
昨今でようやく11種類あるってのが浸透してきたところなんですが、
実はその数は増え続けており、20種類同定されていることを私自身が知ったのは
2021年の頭だったと記憶しています。
で、この度全容が明らかになったってことは、これ以上増えることはない
ってことでいいんですよね?
結論をいえば、23クラス、1581分子種が同定されたとのこと。
セラミドは23種類あって、さらに細かく分類すると1581種類あるってことです。
はー、3つ知らない子がおるわ。
セラミドは長鎖塩基(スフィンゴイド)と脂肪酸で構成されています。
で、これらが各5種類あって、組み合わせは理論上25クラス存在することになります。
DS:ジヒドロスフィンゴシン
S :スフィンゴシン
P :フィトスフィンゴシン
H :6-ヒドロキシスフィンゴシン
SD:4,14-スフィンガジエン
N:非水酸化脂肪酸
A:α-水酸化脂肪酸
O:ω-水酸化脂肪酸
EO:エステル化ω-水酸化脂肪酸
P-O:タンパク質結合ω-水酸化脂肪酸
太字が新たにでてきた区分です。
セラミド12種類目が見つかったって話があり、
それがEODSかと思いきや、違ったわけな。
理論的には存在するけど、実際には存在しないのが
セラミドEODSとセラミドODSになります。
こんなにたくさん見つかった背景は、
新たなクラスが見つかったってのもありますが、
今までは脂肪酸の異数体を調べてはいたけど、長鎖塩基のほうは
C18に絞って測定していたわけです。
でも長鎖塩基のほうにも異数体が豊富に存在していたので、
種類が膨大に増えたってなわけ。
結合型セラミドってのは、角質細胞と結合することで、
角質層を強固なものにするためのセラミド。
アシルセラミドをベースに作られるので、アシルセラミドとあえて
分ける必要もないかもです。
EODSがないのにP-ODSがあるのは解せぬところではあります。
つまり、20クラスあるっていっていたけど、実際には18クラスだったわけで、
そこに結合型セラミドをカウントするとで23クラスとなったわけね。
興味深いと思ったのが、結合型セラミドのうち82%はP-OSが占めていたということ。
つまり、結合型セラミドを作るにはEOSが必須ということ。
よくアトピーはセラミドEOSが少ないといわれますは、結合型セラミドが
少なくなるから肌のバリア機能が低下するというのとリンクするわけ。
まあ、これがセラミド市場に影響あるかといわれれば、
ないんだけどね。
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