全成分にヒト幹細胞培養液って書いてないんですけども
ヒト神経幹細胞培養液15%+ヒト脂肪幹細胞培液15%
両方合わせて30%の高濃度配合!ってな謳い文句の商品があったんですよ。
ヒト幹細胞培養液って滅茶苦茶高価な原料なんですよ。
なので1%も配合していれば十分頑張っているわけですが、
30%も配合ってやべーな・・・
と思ったのですが、表示成分を確認すると、
それらしいものが一切見当たらない。
本来、ヒト神経細胞順化培養液、ヒト脂肪由来幹細胞順化培養液などの表記
があってしかるべきなのですが、どこにもない。
これはいったいどういうことなのか?
この謎を解明するため、直接問い合わせてくれた方がおりまして・・・
その解答がこちら。
ヒト幹細胞培養液の成分表記につきまして、弊社商品が海外企業様にもお取り扱い頂
いており、成分表記をすべてたんぱく質に分解して表記しております。
下記がヒト幹細胞培養液の成分表記でございます。
アデニン,アラニン,アルギニン ,アスパラギン ,アスパラギン酸,アデノシン,システ
インHCl,シスチン, グルコース ,グルタミン酸,グルタチオン,グリシン, ヒスチジン
, ヒスチジンHCl,ヒドロキシプロリン,イノシトール ,イソロイシン,ロイシン,リシ
ンHCl ,メチオニン,ナイアシンアミド ,フェニルアラニン,
プロリン,ピリドキシンHCl ,セリン,トレオニン,チミジン,トリプトファン ,チロ
シン,バリン,システイン,リシン,アセチルヘキサペプチド-8,グルタミン
うーん、これで「なるほど!そうだったのか!!」とはならんやろ。
まず海外企業云々というのであれば、普通はINCIコードに登録されている
表示名称使うでしょって話で。
「INCI」とはInternational Nomenclature of Cosmetic Ingredientsの略で、
化粧品成分の国際共通表示名称のことです。
ぶっちゃけ、INCI登録されていないと加工先が使ってくれないんすよ。
英語名、日本語名、中国名を登録します。
特に中国はINCI表記でないと流通させることができません。
あと、たんぱく質に分解ってなんやねん。
✕タンパク質
○アミノ酸
となります。
まあ、グルコースは糖ですし、ナイアシンアミドはビタミン様物質ですし、
アセチルヘキサペプチド-8はボツリヌス菌毒素を参考に作られた
合成ペプチドなので、幹細胞培養液に含まれることはないです。
分かりやすく例えると、
神戸牛と松坂牛で作った最高級ハンバーグ!!って売り出しているのに、
表示見たらアミノ酸が並んでたって感じ。
おいおい、本当に神戸牛使っているのか?
そもそも、牛肉なのか?
変な肉使っているんじゃないか?
って普通はなりますよね。
同様に、本当にヒト幹細胞培養液入ってんの?
って思われても仕方がないことで。
そもそも、ばらして表記できるのか?って話ですが、
原料メーカーがこれでINCI登録していれば、可能です。
可能ですが、するかといわれれば、しないです。
例えば、天然ヒト型セラミドって本来は表示したかったんですよ。
残念ながらセラミドNP、セラミドAPという表記でしかINCI登録できなかったんですが。
表記で違いが明らかにわからないってのは致命的で、昨今ようやく注目されてきましたが、
なかなか採用されなかった理由として、表記問題があったわけです。
すでにヒト神経細胞順化培養液、ヒト脂肪由来幹細胞順化培養液とINCI登録されている
分かりやすい表示名称があるのに、わざわざ何かわからなような表示にする
必要性が皆無なんですわ。
仮に格安のヒト幹細胞培養液ですってもって来られても、
表記はこれでって言われたら、絶対買わないですもん、そんな原料。
普通に考えたらメリットが1つもないわけで、
敢えてそうしなければならない理由があるわけです。
まあ、その理由はヒト幹細胞培養液なんて入っていない
ってこと以外は思いつかないんですけどね。
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