安定型ハイドロキノンとはなんぞや?
安定型ハイドロキノンとはなんぞや?
ハイドロキノンは高い還元性があり、美白効果があるといわれていますが、
その高い反応性から、非常に不安定な物質となっています。
酸化してしまえば、還元性はなくなりますし、
紫外線に当たると構造変化を起こして、非常に毒性の高い成分になります。
また、刺激性も高く、扱いがとにかく難しい。
安定性を持たせるために、一般的に使われるのがアルブチン。
こちらはハイドロキノン誘導体となりますが、
チロシナーゼ阻害効果がありますが、還元性はありません。
まあ、完全な別物になります。
で、開発されたのが安定型ハイドロキノンというわけですが、
上図のように、ハイドロキノンをコーティングしたもの・・・
ではないです。
ハイドロキノンとセタルコニウムクロリド(benzylcetyldimethylammonium chloride、BCDAC)
の混合物が結晶性分子錯体を形成したものになります。
界面活性剤とハイドロキノンでラメラ層を作るって感じかな。
セタルコニウムクロリドは陽イオン界面活性剤です。
東京工業大学と新潟薬科大学の研究グループにより開発されました。
もう20年近く前の話なのなー
酸化耐性は非常に高く、ほぼほぼ酸化することはないレベル。
光耐性も高くなっており、長時間照射でも数%の劣化となります。
また、誘導体と違い、ハイドロキノンそのままなので、
高い還元性を維持しています。
ハイドロキノンと比較すれば、刺激性は低くなっていますが、
やはり濃度依存で刺激性は高くなります。
当時は業界全体が沸いたそうですが、正直流行ったとは言い難い状況。
理由は技術的な問題で、単に混ぜればできるわけではないので、
それなりの技術と試行回数が必要になること。
もう1つは、ハイドロキノンに比べると、非常にコストがかかるということ。
聞いた話ですが100倍以上の価格になるとか。
まあ、簡単に言えば、作れるところが限られると。
で、コストがめっさかかるわけ。
安定型ハイドロキノン10%配合ってな商品がでていますが、
これはハイドロキノンを10%配合しているのではなくて、
BCDACなどの界面活性剤と合わせてのものになるので、
実質は2%くらいではないかと思われます。
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