殺菌剤全般に言えることなんですけども
殺菌剤の「イソプロピルメチルフェノール」が洗い流さない化粧品に入ってるのですが、
使用する事で起こる懸念はあったりしますか?
ってなご質問がありました。
殺菌剤ってことで、常在菌を善玉、悪玉関係なく殺してしまうので、
肌の菌叢が荒れるのでよくないって人もいれば、
影響が出る濃度入っていないから気にする必要はないって人もいて、
どっちを信じていいのかわからないとのこと。
イソプロピルメチルフェノールとはタンパク質変性による
細胞膜破壊したり、酵素活性阻害により細菌、真菌を殺す
殺菌剤となります。
用途としては、薬用せっけん、ハンドソープに含まれていたり、
フケ予防のためにシャンプーに含まれていたりします。
また、ニキビ予防の薬用クリームとか制汗剤なんかにも含まれています。
洗い流すものには配合上限がありませんが、
洗い流さないものは0.1%が上限となります。
元々は医薬部外品、医薬品でしか使用ができなかったのですが、
化粧品でも防腐剤として使用できるようになりました。
防腐剤は基本的には静菌作用であり、菌の増殖を抑える作用があるのに対し、
殺菌剤は文字通り殺菌作用があり、菌を殺します。
この違いが分かっていない人って非常に多くて、
パラベンが肌の常在菌を殺すから菌叢が乱れるとかなんとかって
見当はずれなことをいう人がいますが、パラベンやフェノキシエタノールなどの
化粧品で一般的に使われている防腐剤は静菌作用によるものです。
しかしながら、イソプロピルメチルフェノールは殺菌剤であって、
しかも選択性はなく、物理的に菌を壊す作用があるわけで、
常在菌を無差別に殺します。
個人的な経験談ではありますが、過去にオロ●インをニキビに使用していたこと
があるんですよ。まあイソプロピルメチルフェノールではなくて、
クロルヘキシジングルコン酸塩っていう殺菌剤を使用している薬用クリームなんですが、
作用機序は細胞膜をぶっ壊して、酵素活性を抑えるもので、ほぼほぼ同じです。
使い始めはめっさ効いて、見る見るうちにニキビが治ったのですが、
使っているうちにだんだん効かなくなって、最終的には最初の状態より
酷くなってしまいました。
当時は中学生でしたので、何もわからなかったわけですが、
今思えば、愚かなことをしたなーとは思います。
まあ、殺菌剤を多用するのはお肌にとって、望ましいことではない
ってのは間違いないと思います。
個人的には殺菌効果のあるものの使用はおススメはしません。
防腐剤として配合される場合は、0.01%くらいになります。
この濃度であれば、殺菌作用は非常に弱いものになります。
エタノールは70%で殺菌効果を最大に発揮するわけですが、
10%程度であれば静菌作用にしかなりません。
それと同じことです。
人体への影響はほぼなく、安全性は確認されてはいます。
ただ、洗顔剤から化粧水、乳液、美容液、クリーム、日焼け止めと、
ラインすべてにイソプロピルメチルフェノールが使われていたら、
結構な量になってしまうので、その辺は注意したほうがよいかも。
まあ、どの道、好んで使うもんではないよなー
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