何、その唐突なネガキャンは・・・
界面活性剤って悪者扱いされることが多々あるわけですが、
今回のはだいぶ変わっているというか・・・
「PEG系界面活性剤は製造過程でダイオキシンが発生するから
使っている化粧品は使うべきでない」
との主張をしている輩がおるんだとか。
PEG(ポリエチレングリコール)の重合体で、
図のnの部分に入る数字、つまり繰り返しの数で、性質が異なります。
PEG-400は400個繰り返しの構造があるってことです。
当然、数字が大きいほど分子量は大きくなります。
合成ポリマーで、増粘剤や被膜剤として配合されます。
で、PEG系界面活性剤として、具体的に挙げられていたが
PEG-60水添ヒマシ油になります。
非イオン系の界面活性剤で、刺激性はほぼないです。
どちらかというと、安全性の面では非常に高い部類に入ってくる
界面活性剤です。
結論からいうと、ダイオキシンって表現していますが、
これは誤訳で、本当は1,4-ジオキサンのことだったのではないか?
と思われます。
そりゃ、どんだけ調べても出てこないわけよ。
どう考えてもダイオキシンが発生するのは物理的にも化学的にも
あり得んもんなー
1,4-ジオキサンは刺激性が強く、ヒトに対する毒性も高いです。
動物では発がん性が確認されていますが、ヒトに対する発がん性は立証できておらず、
IARC の評価では 2Bとされます。
まあ、あるかも知れないって位置づけ。
PEGを重合させるときに、1,4-ジオキサンが発生する可能性があると
いわれています。
また、界面活性剤の製造工程でも発生するといわれていますが、
それは硫酸エステル型のものなので、こちらはあんまり関係ないかな。
この辺が混在しているため、PEG系界面活性剤はダメだって
なってるんだと思われます。
PEG生成時に発がん性の疑いのある成分が生成されているって
のは、まあ事実なんですが・・・
1,4-ジオキサンが問題視されるようになって、
これが環境汚染を起こしているってな話になったとき、
これを使用しているところが、
「うちが原因じゃないよ」っていう言い訳のために、
他をやり玉に挙げた結果のように見えるんよな。
用途として、洗浄剤、合成皮革溶剤、反応用の溶剤、塩素系溶剤安定剤
医薬原料/セルロースエステル類及びセルロースエーテル類の溶剤、
有機合成反応・抽出溶剤、トランジスター用・合成皮革用溶剤
塗料・医薬原料、試薬用、塩素系有機溶剤の安定剤、洗浄剤の調整用溶剤
繊維処理・染色・印刷時の分散・潤滑剤、パルプ精製時の溶剤等、多岐に渡ります。
この物質、普通に製造されていて、色々なところで使われているわけよ。
にも拘らず、副産物として微量に発生しているとしてPEG製品がやり玉に挙げられて
いるのは些か不自然というか。
まるで、スケープゴートにされたようにしか見えないんよなー
で、これらを根拠に「PEGは避けるべし」と言い始めた輩がでてきて、
それが広まったってな感じかなー
ただ、製造過程でどのくらいの量発生するとか、
製品にどのくらい残留するかってデータは探せど
出てこないんですよねー
(持ってるなら見たいです、お願いいたします)
おそらくPEGの原液を調べても検出するのは難しいでしょう。
それくらいしっかり精製されています。
さらに製品にした場合はもはや検出不可能だと思います。
まあ、ぶっちゃけ水道水のほうが多く検出されるでないかなー
まとめると、
・PEG系界面活性剤にはダイオキシンは含まれていない
・ダイオキシンではなく、1.4-ジオキサンの間違い
・1.4-ジオキサンはPEGの重合の過程で発生する可能性がある
つまり、nの数字が大きいほど、発生する確率はあがっていくので、
PEG-400とかPEG-1000みたいな合成ポリマーは気を付けたほうが
よいかもね?精製の甘いの使ってる可能性はゼロではないっすから。
ただ、PEG-60水添ヒマシ油は気にする必要性は皆無だとは思います。
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