抗老化ホルモン、クロトーに着目した原料
医薬品の開発するためには、治療したい病気を発現している
マウスを遺伝子組換えで作るってことは、まあ日常的に行われています。
先天性に高血圧のマウスを作ろうと、色々と遺伝子を弄っていたら、
偶然にも「早老症」を呈する突然変異マウスが出来てしまったそうな。
その突然変異マウスはヒトの老化に良く似た多彩な症状を表し、
早死にしてしまったのですが、この原因を特定することで、
老化抑制遺伝子の発見につながります。
この遺伝子「クロトー(Klotho)」と名づけられました。
ギリシア神話における「運命の三女神」の長女であるクロートー(Clotho)が
由来とのこと。
クロートーは運命の糸を紡ぎ、ラケシスは運命を振り分け、
アトロポスは運命の糸を断ち切るとされます。
このクロトー遺伝子から作られるタンパク質は抗老化作用のあるホルモンで、
体内でクロトーの濃度が高いと健康で長生きするそうな。
逆に低いと老化が著しく進行するんだとか。
クロトー遺伝子は過労で活性が低下するともいわれます。
苦労人は年齢よりも老けて見えるということは、しばしばありますが、
それはクロトー遺伝子が関与していたってなわけ。
で、このクロデシンという原料は、クロトーの活性部分、
受容体にはまる部分を人工的に作ったものになります。
表示名称はリン酸緩衝生理食塩水、合成ヒトノナペプチドー4、フェノキシエタノール
クロデシン1%、42日で57%のシワ改善効果があったのだとか。
作用機序は正直、よくわからん。
クロトーについても近年新たに見つかったものですので、
まだまだ研究されている状況なので。
ただ、シワ改善効果だけが突出しており、
ほかの部分、例えば肌のツヤだとかキメだとかには
あんまり影響がないことから、真皮部分への影響が大きいのでは
ないかと予測されます。
クロトー遺伝子を活性化する原料はチラホラありますが、
こちらは抗老化ホルモンを直接的に活性化するものなので、
効果が直接的になります。
何はともあれ、抗シワの抜けた穴を埋めるための最有力候補ではあります。
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