バクチオール3%配合
オリザ油化の原料、フィトレチノール-3Cを購入してみた。
次世代型レチノールの代表格であるバクチオールを含んだ原料になります。
オランダビユの果実を原料とし、その中に含まれる油脂成分をn-ヘキサンで抽出した後、
n-ヘキサンを蒸留除去し、超臨界抽出法したもの。
表示名称はトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、オランダビユ果実エキス、ローズマリー葉エキス
オランダビユの果実はこんな感じでゴマみたいなやつです。
生薬では補骨脂(ホコツシ)と呼ばれているほか、インドの伝承医療である
アユルヴェーダでも用いられています。
マメ科の植物でインドから中国にかけて分布しています。
この原料に含まれているバクチオールは3%以上を規格しています。
色は褐色~濃い橙色。
サンプルをもらったときは黄色っぽかったので、
ちょっとびっくりしたわ。
においはなんか花っぽい匂いがします。
嫌な感じではないですが、特別いいにおいってわけでもないです。
個人的には嫌いじゃないです。
効果はレチノールと同様で、刺激性がなく、安定性が高いということから、
注目を集めているバクチオールですが、根本的な違いを説明していこうかと。
レチノールの作用はターンオーバーの促進。
まあ、代謝を高めるってわけ。
ターンオーバーは大きく2つに分けれており、
細胞分裂で上へ上へと新しい細胞が移動する時期と、
細胞が死に角化する時期があり、この期間は半々となります。
正常な肌のサイクルは28日といわれているので、
その場合は14日ずつかかるってわけ。
レチノールはこの2つの期間をどちらも高めてしまいます。
これがレチノールの即効性の秘密です。
レチノイド反応の1つの皮むけですが、
本来は角片(あか)として目に見えない速度で離脱するところを
角化が促進されることで、目に見える形で次々離脱するからです。
これは一種のピーリング作用なので、その瞬間は肌の凹凸が減少し、
キメが整い、肌がきれいになります。
赤くなるのは、ピーリングをやりすぎたのと同様で、
皮膚が薄くなって血液の色が見えたり、バリア能の低下に伴う
外部からの刺激による炎症が原因。
下からも細胞が作られているので、時間がたてば落ち着いてくるってなわけですが、
角化が早く未成熟な状態は緩和していないので、あんまり望ましいことではないです。
まあ、あくまで高濃度のレチノールを使ったときの話で、
医薬部外品の濃度(0.1%)では角化の促進も程よい感じになるので、
レチノイド反応ってのはあんまり起こらないわけ。
で、バクチオールは角化は促進しないんですよ。
だから即効性はないけど、レチノイド反応もないってわけ。
長い目でみれば、着地点は一緒なので効果は同等になります。
まとめると、バクチオールは
①レチノールと同様の抗シワ作用がある
②レチノイド反応が起こらない
③安定性が高いから紫外線に当たっても大丈夫
④角化を促進しないから、バリア能の低下を招かない
ぶっちゃけ、レチノールの代替品ではなくて、
レチノールの上位互換であるといっても過言ではないです。
つまり、高濃度レチノールはハイリスクを覚悟で行わなければならないのに対し、
高濃度バクチオールはローリスクでハイリターンを実現できます。
フィトレチノールを原液で3%ということは、
レチノール3%と同様の効果を期待でき、
レチノイド反応もない・・・
実際に使ってますが、何か悪い反応があったってことはないです。
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