玄米麹抽出物
米麹を販売している会社が作った化粧品原料。
表示名称はアスペルギルス培養物、BG、水、グリセリン
推奨量は5%と結構多い。
玄米を麹菌で発酵したものになるわけですが、
コメはあったけど玄米は珍しいかも。
発酵液なので、タンパク質がアミノ酸、ジペプチドとなっています。
非常に分子量が小さくなっているので、浸透力が高くなっています。
成分も非常に豊富で、数百種類に及ぶと思われます。
9種類の遺伝子発現の活性化が確認されており、
特許も取得しているそうな。
分化促進に関わるBMP2という遺伝子の活性が突出しているかな。
骨形成タンパク質2を形成する遺伝子です。
文字通り骨形成を誘導するサイトカインの一種で、
軟骨形成にも関わっているので、コラーゲンなんかも生成促進するんかな?
正直、どの程度肌への影響があるのかはわかりません。
遺伝子発現の活性化ってのはin vitroの典型といいますが、
in vivoでの再現性は結構怪しいです。
例えばAというタンパク質の遺伝子の発現が2倍になったとします。
理論的にはAの量が2倍になるわけですが、実際はそうではないんよ。
BMP2の遺伝子、正確にはBMP2をコードしたm-RNAの量が4倍弱に
なっているんですが、それによってBMP2が4倍弱増えるってわけではないです。
まあ、ここまで増えているのであれば、in vivoでも十分結果が出るとは思いますが、
2倍程度では、データとしてはちょっと弱いかなーと思われます。
ヒト試験のデータも色々取っています。
角質水分量に関しては、30日で8~9%の増加が見られます。
経皮水分蒸散量の変化はないです。
肌弾力性については、誤差程度の改善があるって感じ。
美白効果はあるといえるかな。
シワ改善効果、乾燥による小じわへの効果は高いです。
麹の発酵物なので、肌にいいのは間違いないとは思います。
個人的には発酵原料は好きですしね。
ただ、絶妙に惹かれないんよなー
最大の理由は推奨量5%ってとこですかね。
エビデンスもすべて5%でのものなんですが、
これはしっかりデータを出すために多めにしているってわけではなく、
それ以下だとほぼほぼ変化がでないからなんよ。
角質水分量では1%のデータもあるんですが、まあ残念な結果になってます。
また5%のデータも正直、目を見張るものではないわけで。
広く浅く効果があり、全体の底上げ的な効果は期待できるとは思います。
ただ、5%も配合することができるような価格なのかってところで、
費用対効果が合わないだろうなー
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