健全な表皮の形成におけるヒアルロン酸の働き

1-エチル-β-N-アセチルグルコサミニド

ヒアルロン酸の産生を高めることで、肌に厚みがで、潤い、ハリがでることが

明らかとなったと花王が発表しました。

セラミドでなく、ヒアルロン酸に着目したわけですな。

 

加齢により、表皮の厚みが減少するわけですが、

その原因の一因がヒアルロン酸にあり、

表皮ヒアルロン酸の減少はハリやなめらかさが低下し

見た目に大きな影響を与えます。

 

 

また、表皮には血管が通っていないので、細胞への栄養素などの

供給にヒアルロン酸が関わっているといわれます。

 

まあ、表皮のヒアルロン酸を増やしたいわけですが、

ヒアルロン酸は高分子であり、角質層へ浸透しません。

ですので、ヒアルロン酸の産生を高めるものはないか?

ってことを研究し、2004年にはアセチルグルコサミンが

表皮ヒアルロン酸の産生を促すことを発表しています。

 

アセチルグルコサミンはヒアルロン酸を構成する成分で、

グルクロン酸 と交互に連なったものがヒアルロン酸となります。

アセチルグルコサミンはヒアルロン酸の素になると言っても過言ではないです。

 

で、今回はN-アセチルグルコサミンを改造した

1-エチル-β-N-アセチルグルコサミニドを開発し、

その効果を確認したってな話です。

 

N-アセチルグルコサミン誘導体として、安定性にすぐれているそうな。

1-エチル-β-N-アセチルグルコサミニドは表皮細胞に取り込まれたあと、

細胞がもつ酵素、β-N-アセチルグルコサミニダーゼによって

N-アセチルグルコサミンに変換され、ヒアルロン酸の材料となるそうな。

 

さらに、N-アセチルグルコサミン誘導体を3次元培養ヒト皮膚モデルに添加したところ、

表皮ヒアルロン酸が増加するとともに、基底層における表皮細胞の増殖、

有棘層から顆粒層における表皮細胞の角化が促進することが確認されました。

 

これらの効果は、β-N-アセチルグルコサミニダーゼの働きを阻害することで、

なくなってしまうため、N-アセチルグルコサミンが誘導されて初めて

効果を発揮することが示されました。

 

・・・初めからN-アセチルグルコサミンでよいのでは???

 

 

1-エチル-β-N-アセチルグルコサミニドの効果を検証するため、

33名の女性(40~58歳)を対象に、1-エチル-β-N-アセチルグルコサミニドを配合した製剤と、

配合していない製剤を顔の左右それぞれに8週間使用してもらい、肌状態を比較。

その結果、1-エチル-β-N-アセチルグルコサミニド配合製剤を使用した方の肌では、

角層水分量が上昇し、肌のハリ(皮膚粘弾性)が高まりました。

 

まあ、そりゃそうだろという結果ではあります。

 

 

うーん、N-アセチルグルコサミンってそもそも安定性が非常に高く、

水溶性なため、汎用性の高い原料です。

そもそもN-アセチルグルコサミンでも十分な結果がでているのに、

敢えて誘導体を作ったのかは謎です。

 

新規原料を謳いたい、独自成分を主張したいってのはわからなくもないですが・・・

疑似セラミドで価格的な優位性もないでしょうし。

N-アセチルグルコサミンって非常にお手頃な価格で、ヒアルロン酸の1/10程度の

価格で買えます。

おそらく誘導体にすることで、価格面では1工程余分にかかっているので、

高くなることは間違いないかと。

 

また、酵素により分解される必要性があるため、

効果が酵素依存となります。

当たり前ですが、年齢を重ねるほど酵素の活性は低下していきます。

酵素の影響を受けないN-アセチルグルコサミンのほうが優秀では?

と個人的には思いますが、さてさて・・・

 

 

あくまで個人的見解ではありますが、

N-アセチルグルコサミンは経口摂取のほうが有効性は高いと思っています。

体内利用率も高い成分ですからねー

 

ヒアルロン酸の生成はもちろん、軟骨の生成にも関わってきます。

弊社でも取り扱っていますので、是非試してみてください。

1日1000mgの摂取を推奨しておりますが、

おそらく化粧品で使われている量はこれくらいです。

場合によってはもっと少ないです。

 

美容はもちろん、ロコモ的な観点からも摂取しておくのは

将来的に大きなアドバンテージとなると思います。

 

 

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