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角層セラミドプロファイルがアトピー性皮膚炎の寛解指標となるかも

セラミドNDS、NS、NHに注目!

花王と大分大学医学部皮膚科学講座の共同研究にて、

アトピー性皮膚炎患者の皮膚角層のセラミドプロファイル、

特に特定種類のセラミドの炭素鎖長が、ADの寛解や症状悪化を

予測するための指標になる可能性があることを発見しましたとの

発表をしました。

 

今回の研究成果は、 Journal of Investigative Dermatologyに記載されています。

ちなみに寛解とは完治してないけど、症状が治まっている状態のこと。

 

アトピーの治療にステロイドの使用は王道ではあります。

ただし、長期的使用は多くの副作用を生むので、

使用は徐々に減らしていくのが望ましいです。

 

不思議なことに、それでよくなる人もいれば、悪化する人もいます。

その違いはなぜ生じるのか?

その答えがセラミドのプロファイルにあったってな話になります。

 

 

アトピー患者にステロイドの塗り薬を使用し、

保湿剤と併用しながらステロイドの量を徐々に減らしていきます。

8週間後、寛解した人、悪化した人でTARC値、総IgE値、フェラグリン遺伝子、

セラミドプロファイルを比較したという実験になります。

 

TARC値はThymus and activation-regulated chemokineの略で、

表皮角化細胞などで産生されるケモカインの一種。

皮膚の病変部位などにTh2細胞を遊走させる働きがあるとされます。

アトピーの指標の一つで、多くなればなるほど重度と判断されます。

 

IgEは免疫グロブリンの1つで、血液中には極めて微量に存在しています。

アレルギーの人はこの数値が高くなる傾向にあることから、

アレルギー体質かどうかをの1つの指標となります。

 

フェラグリンは天然保湿因子のもととなるタンパク質。

 

ステロイドは何を使ったのかはちょっとわかりかねるかな。

保湿剤はキュ●ルだと思われます。

 

結果、TARC値や総IgE値、フィラグリン遺伝子変異の頻度については、

悪化した群と悪化しなかった群とで有意な差はありませんでした。

一方、悪化した群におけるセラミドNDS、NS、NHの炭素鎖長は、

悪化しなかった群の炭素鎖長に比べて有意に短鎖化しており、

有意差がありました。

 

つまり、従来の使用である血清TARC値や総IgE値では、

患者の症状の予測はできないのに対し、セラミドプロファイルで

それが可能となるかもしれないというわけ。

 

セラミドNDS、NS、NHの炭素鎖長を見れば、

ステロイドを使って徐々に減らしていくという

従来のやり方でよいのか否かって判断できるかも

しれないってこと。

 

治療の精度があがるというわけで、朗報だと思います。

 

 

セラミドはスフィンゴシンと脂肪酸で構成されており、

脂肪酸は長いほうがよいとされます。

 

一般的にアトピーだとアシルセラミド(EOS、EOH、EOP)が少ないといわれます。

また、セラミドNH、NPも少ない傾向にあります。

面白いことに、その辺はあんまり関係ないっていうのがね。

 

ふっと思ったのが、ステロイド使用者が天然ヒト型セラミドを使用すると、

何かしらの反応がでるってのも関連している話なのかなーと。

 

天然ヒト型セラミドは脂肪酸が長いセラミドで構成されており、

ここでいう炭素鎖長の長いものを補うこととなります。

それが寛解という絶妙なバランスを破壊するために起こるのではないか?

まあ、あくまで可能性の話です。

 

また、保湿剤に疑似セラミドクリームを使用していたと思われますが、

直接的にセラミドを補ったらどうなったか?ってのも興味ありますね。

セラミドのプロファイルが変化するのかどうか・・・

 

 

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