ビタミンDが不足すると炎症がひどくなる
ビタミンDは紫外線を浴びることで体の中で勝手に合成されるもので、
不足するということはほぼないという認識でした。
しかし、昨今は紫外線が「諸悪の根源」との扱いで、
日焼け止めをしっかり塗り、極力露出を抑え、紫外線を浴びないよう
な生活が習慣化されています。
また、ビタミンCの人気は衰えることを知らず、
レチノール(ビタミンA)やナイアシンアミド(ビタミンB3)などの
台頭してきている市場で、ビタミンDに目をつけるとは、
なかなかお目が高いですな。
さてさて、今回のお話はDHCから研究発表されたもので、
Redox biologyに掲載されています。
なお、8月10日でDHCからでたプレスリリースを参照して記事を書いています。
【研究報告】ビタミン D 不足が皮膚炎の悪化に繋がるメカニズムを発見
ビタミンDがNLRP1インフラマソームの活性化を抑制し、
炎症を抑制する効果があることを発見したってのが主な内容。
インフラマソームとは何ぞやって話ですが、
細胞の中にある多タンパク質オリゴマーで、炎症反応を活性化させたり、
細胞死を引き起こしたりします。パイロトーシスはアポトーシスとは
異なる細胞死のこと。
ビタミンDはインフラマソームの活性化そのものを抑えるようで、
インフラマソーム活性化する物質とビタミンDを同時に加えると、
インフラマソームの活性化を著しく抑える結果となりました。
インフラマソームの活性化で放出されるサイトカインIL-1βの
放出も抑制されます。
ビタミンDが不足すると、アトピーの発症率が2倍になると
過去の論文で報告されていることから、ビタミンDは
炎症を抑える効果があるとされてきましたが、
炎症の核心部分を抑えるってことを見出したというわけさね。
まあ、思ってた以上にビタミンD重要じゃね?って話です。
余談ではありますが、ビタミンDにはD2、D3と2種類あり、
ビタミンD2はエルゴカルシフェロール、
ビタミンD3はコレカルシフェロールと呼ばれます。
簡単にいえば植物由来がD2、動物由来がD3。
人が合成するのもD3になることから、D3の摂取が推奨されます。
おそらく今回の実験もD3によって行われたものだと思われます。
化粧品にビタミンD配合することで、炎症を起こりにくくすることが
可能になると思われます。
紫外線を浴びないことで、まさか炎症しやすい肌になってしまう
ってのは盲点でしたよねー
もしかしたら、ビタミンDを配合するのがマストな時代が来るかもしれません。
なお、経口摂取でも十二分に効果はあると思われます。
体内のビタミンDが十分であれば関係ない話ですからね。
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