エクトインが合わないという人がいる理由
最近、注目度を上げているエクトイン。
大手でも使われており、まあ流行ってるといってもよいのか?
ただ、エクトインを配合した化粧品を使用した人の中に、
「合わない」という声が一定数存在します。
弊社でも色々な原料をお客様に試してもらっていますが、
ネガティブは反応はエクトインを上回るものはなかったです。
なんでこんなことが起こるのかってのを考察してみました。
エクトインとは?
そもそも、エクトインとはなんぞやって話ですが、
もともとはワディ・エル・ナトルーンの塩湖に生息する
エクトチオロドスピラ属細菌から発見されました。
様々な細菌がエクトインを作るのですが、今はハロモナス好塩菌が
作ったものを化粧品原料として使っています。
普通は塩分濃度が高い環境下では浸透圧の関係上、生存することはできません。
この高い塩分から身を守るため、エクトインを放出しているわけで、
悪環境に適応するための成分であるといえます。
エクトインは環状アミノ酸の一種。
細菌の周りの塩分濃度が高いと、細胞から水分が外へを
引っ張られます。普通はそれで死んでしまうわけですが、
エクトインはこの水分の流出を防ぐ効果があるといわれています。
また、それだけではなく乾燥、高温、低温などの環境ストレスから
身を守ることができるともいわれいます。
エクトインの効果
1つは環境ストレスから身を守るってことから
アンチポリューション効果があると考えられています。
紫外線やほこり、乾燥、高温、低温などなど、
肌は様々な環境ストレスにさらされています。
そのダメージを緩和する効果が期待されています。
その効果はヒートショックプロテイン(HSP)の産生を早めるためといわれます。
HSPはダメージ部を修復させたり、肌の防衛レベルを引き上げたりします。
あとは、長期保湿作用が確認されています。
12日間エクトイン入りの製剤を塗布し続けた、使用を中止して
7日後に測定したら高い水準で保湿を維持していたと。
そのことから、持続的な保湿効果をもとめて採用しているところも
多いようです。
ここからは個人的な考察になります。
エクトイン入りの化粧品を使って、吹き出物ができた、
肌が荒れたなどの反応を示す人が一定数いるってのは事実としてあるわけですが、
その原因はわかっていません。
そもそも、エクトインが原因ではない可能性もあります。
ですので、エビデンスなんてないです。
まあ、妄想の類だと思ってもらって構いません。
まず考えられるのは、HSPの産生が促されるということは、
エクトイン自体が肌にとってストレスであるという可能性。
HSPが産生されるのは、体に負荷がかかったときです。
たとえば、ナールスゲンという原料もHSP産生を促す効果があります。
これは肌に毒だと誤認させることで、HSPの産生を高めます。
エクトインは菌が生成しているものなので、
もしかしたらナールスゲンと同じように毒と誤認している
のかもしれません。
で、過剰に反応して免疫が出張ってきて、
炎症が引き起こされるってことが起こる人がいるのかもしれません。
もう1つはエクトインは細菌を守っている成分。
もしかしたら、特定の菌がエクトインを利用できて、
エクトインをまとった菌の勢力が拡大し、菌叢のバランスを
崩すってことがあるやもしれません。
昨今の研究で、肌にも古細菌が存在していることがわかっており、
古細菌ってのは文字通り古くから存在している細菌で、
エクトインをつくっているハロモナス好塩菌も古細菌の1つ。
特定の菌が増えすぎると、免疫が活性化されて
肌トラブルにつながるのではないかと。
もしかしたら、肌の菌叢によって、使えるか使えないかってのが
あるのかもしれません。
あとは、単純にエクトインがアレルゲンとなるヒトがいるって
可能性も無きにしも非ず。
とはいえ、大半の人は問題ないわけですので、
問題ないのであれば、その恩恵に与かればよいわけで。
ただ、合わないと感じる人が一定数いる成分であるので、
ちょっと注意したほうがよいとも思います。
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