サリチル酸ワセリン、ちょっとざわついている
某テレビ番組でかゆみの研究をしている大学のお偉いさんが、
かゆみにおススメの成分として、サリチル酸ワセリンを挙げてたんですよ。
さらに、それにステロイドを入れればなお良いみたいなことを言ったんだそうな。
それに対して、「それはおかしい、危険だ」とお医者さん関係の人たちが
こぞって警鐘を鳴らす事態になっています。
サリチル酸ワセリンとはなんぞやって話ですが、
サリチル酸を主成分とした軟膏になります。
まあ、ワセリンにサリチル酸を混ぜたものって認識で問題はないです。
サリチル酸は植物ホルモンの一種で、消炎鎮痛作用があるとされます。
副作用があるとのことで、経口投与されることはアスピリンの発見によって
ほぼなくなっています。
化粧品では医薬部外品での使用が可能ではありますが、
0.2%が上限となっています。
サリチル酸には強力な皮膚の角質軟化作用があるのですが、
0.2%ではそのような効果は発揮されません。
多くは防腐剤として配合されることになるかな。
で、サリチル酸ワセリンは医薬品になります。
サリチル酸の濃度は5~10%
タコやウオノメ、水虫なんかの治療薬として使用されます。
皮膚の角質軟化作用があることから、皮膚を柔らかくして、
角質をはがれやすくするピーリング作用を利用しているわけです。
まあ、アトピーにも使えないことはなく、
かゆみを抑える効果は確かにあるんでしょう。
副作用としては過敏症状をもたらす可能性があり、痒み、発赤、熱感
などが起こることがあるといわれています。
かゆみを抑えたいのに、痒くなるとは本末転倒ではあるのですが、
起こる人がいるという話で、全員そうなるわけではないです。
かゆみのメカニズムってのはまだまだ分かっていないことが多く、
近年でも新しい知見が発表されることもしばしば。
サリチル酸やステロイドはかゆみのメカニズムがよくわかっていない
時から使われている対処療法。
かゆみを抑えるってことだけを見れば、確実で実績のある方法ではあります。
しかし、昨今はその方法がベストでもなければ、ベターでもないと考えられて
いるのが一般的です。
実際の現場ではサリチル酸やステロイドを安易に処方することを
是とはしていなわけです。
それがかゆみのスペシャリストがテレビで「サリチル酸ワセリンがおすすめ」
なんて発言をするもんだから、現場からは「何言ってんだ、コイツ?」と
いう反応が起こったわけ。
昨今は視聴者も賢くなっていますし、そもそも視聴者が減っているので
テレビの影響力ってのはそこまで高くはなくなっています。
ですので、これを見てサリチル酸ワセリンを買い求めるって人は
多くはないとは思います。
テレビでバナナがいいといえば、スーパーの棚からバナナが消えた時代は
そんなに前の話ではないとはいえ・・・さすがにいないよね?
結論をいうと、サリチル酸ワセリンをかゆみ止めとして使うのは愚策だと
いわざる負えないかな。
個人的にはフコイダンエキスがおススメ。
原液でベタベタ塗っとけばだいたい治まる。
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