5-デアザフラビン
NMNの認知もままならないのに、さらにその先へってか。
NMNは何かというと、ニコチンアミド・モノヌクレオチドの略で、
ナイアシンアミドから体内で合成され、NMNはさらに
NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変換されます。
NADは何をするのかというと、ATP産生に関わる電子伝達物質。
ATPってのは生物のエネルギーを貯めた物質で、アデノシン三リン酸の略。
NADはサーチュイン遺伝子の活性にも作用しており、
その際にナイアシンアミドへと変換されます。
ナイアシンアミド、NMN、NADを体内でぐるぐる回しているわけです。
NADを与えたマウスが若返ったってことで、若返りの成分だ!と注目されたのですが、
あまりに高額なので変わりとして、NAD前駆体であるNMNが市場に出回ることとなります。
で、そのNMNを超える成分が出てきたって話なんですが、
それが5-デアザフラビン。
ビタミンB2(リボフラビン)に似た構造をしており、
NAD様作用があるのだそうな。
一番最初の図で「R」の部分は、色々なものに置き換わる部分で、
5-デアザフラビンは複数種類があります。
世間を騒がせている5-デアザフラビンはTND1128はRの部分がCH3となっています。
これがNMNを超える物質だ!といわれるのは
ミトコンドリア活性がNMNの40倍あったからなんだそうな。
ポイントはNADではなく、あくまでNMNを超えたって言っている点。
ミトコンドリア活性とは、要はどれだけATPを産生しているかってことを見たわけ。
上図で見て分かる通り、NADはでてきますが、NMNはでてきません。
5-デアザフラビンはNAD様作用があるわけですから、比較すれば・・・ねえ?
当然ではありますが、サーチュイン遺伝子の活性も直接比較すれば、
5-デアザフラビンのほうが活性化するわけです。
NMNはあくまでNAD前駆体であり、体内でNADになることを期待して摂取しているわけです。
NMN自体にはミトコンドリア活性を上げることも、サーチュイン遺伝子を活性する
こともないわけ。
5-デアザフラビンでの実験でマウスの寿命が延びたとか、
若返ったとかいう話はないです。
ですので、NMNの超えたってのは現段階では過言かと。
ミトコンドリアは老化と密接に結びついています。
そういう意味ではNMNも5-デアザフラビンも有用であることは
間違いではないと思います。
あくまで個人的見解ではありますが、経口投与も塗布も
ナイアシンアミドと効果は大差ないんでないかなーと。
NMNも5-デアザフラビンもね。
効果はあるけど、劇的ではなく緩やかなものだろうと。
NMNを飲み始めたうちのばあちゃんが、見る見る若返った
なんて話は聞かないですし、そんなことは起こりません。
老いの克服は人類の悲願ですので、夢を見ちゃう気持ちはわかりますけどね。
ちなみに、化粧品での表示名称はエチルメチルピリミドキノリンジオン