トリフルオロアセチルトリペプチド-2
In-cosmetics 2012(バルセロナ)イノベーションゾーンベストアワードで
金賞を受賞した原料の名前がプロジェリン。
表示名称は水、グリセリン、デキストラン、トリフルオロアセチルトリペプチド-2
異常ラミンに着目。老化細胞に蓄積した異常ラミンを強く減少させるとのこと。
紫外線などの外部の刺激による炎症による、コラーゲン分解酵素や
エラスチン分解酵素の働きを抑制する効果が確認されています。
ラミンは核膜を構成する成分で、転写を調整するなど重要な役割をになっています。
異常ラミンの名称はプロジェリンであり、悪性のタンパク質になるわけなんですが、
このタンパク質を製品名にするセンスはイカレていると思います。
プロジェリンは早老病の原因といわれており、ラミンAを正しく合成できない
ことでプロジェリンが蓄積し、老化が早まることがわかっています。
まあ、化粧品の販社はそんなこと知りませんから、プロジェリンを使うと
あれこれこうこうなる、みたいなことをいうわけ。
プロジェリンを減らすものなのに、プロジェリンと命名したことで
まるでプロジェリンが良いものように伝播してしまっています。
正直、調べてて大変混乱しました。
プロジェリンは、細胞分裂やDNA損傷シグナル伝達を阻害するほか、
タンパク質の折りたたみや装飾を邪魔します。
つまり、不良タンパク質が作られ、蓄積していきます。
これを小胞体ストレスといいます。
小胞体ストレスというから、てっきり小胞体に異常が起こるのかと
思っていましたが、実は核膜のほうに異常が起こっていたと。
ペンタデシルはもしかしたら、この核膜へ作用するのかもしれませんね。
まあ、そんなデータはないけど。
加齢と共に、プロジェリンが増え、これが老化の原因の1つだと
考えられています。
トリフルオロアセチルトリペプチド-2がプロジェリンを減らすことで
抗老化作用を示すとのことですが、残念ながらその辺のデータは
公開されていません。
作用機序もよくわからん。
全然別の原料で、プロジェリンが減るって原料がありまして、
それがJUVENESSENCEという原料。
褐藻由来のエキスとなります。
表示名称はトリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、アラリアエスクレンタエキス
インスリンはボジティブコントロール。
なんでインスリンでプロジェリンが増えるのかはわからん。
まあ、正直いらんけどね。
有意差を出すための苦肉の策だったんだと思われます。
35歳の人の細胞を培養したものと、66歳の人の細胞を培養したものを
比較したものがControlになります。
加齢によってプロジェリンが蓄積しているというのが見て取れます。
そこにJUVENESSENCEを加えると、66歳の細胞でも
35歳と同等のプロジェリン量になったというデータになります。
この作用機序はオートファジーによるものとの説明がなされていますが、
オートファジーが活性化されているというデータはないです。
また、小胞体ストレスが解消されたというデータもないので、
その辺がリンクしてこれば、面白いですね。
プロジェリンが減った=機能が回復したってわけではないので、
この辺のデータが欲しいかな。
20名を対象にヒト試験を行っており、JUVENESSENCE 1%のクリームを
2回/日、28日間使用した結果、80%の人は効果を実感いたそうな。
まあ、主観的には効果が高いという結果になったのですが、
皮膚科医の評価では25%の改善とふるわなかったです。
このデータ載せる必要あったか?
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