まあ、そりゃそうなんですけど、着眼点が面白い
資生堂の研究発表になるんですが、屋外運動時に日焼け止めなどを
用いて紫外線から肌を守ることで、運動中や運動後24時間後までの間、
疲労感を軽減することを確認しました。
紫外線は細胞レベルでダメージがあり、体はそのダメージを回復させる
必要があります。
ですので、紫外線を浴びているだけで疲労感は溜まるものなんですが、
科学的にそれを証明したわけです。
まあ、化粧品の会社なわけですから、シミとかの肌に関することを
研究しがちではあるのですが、疲労感という一見、業界とは関係ない
研究を行っているのが面白いです。
おそらく、日焼け止めの市場の拡大を狙ったものだと思われます。
疲労感が軽減できるとなると、男性への使用を促すことができますし、
部活動などしている子供にも使用を促す理由となります。
日焼け止め市場の活性化につながるかもしれません。
健康な成人男女16名を、紫外線防御有り・無しの2つの群に分けて、
沖縄で試験を行いました。
紫外線防御有りの群は、資生堂が開発した日焼け止め製剤
(SPF50+、PA++++、スーパーウォータープルーフ)を肌に塗布し、
紫外線防御無しの群は、日焼け止めから紫外線吸収剤・散乱剤を抜去した、
日焼け止め効果のない基剤を塗布しました。
屋外にてシャトルラン形式の運動(60分間で4セット実施)を行い、
血中疲労関連因子の一つである血中乳酸値の濃度や主観的な運動強度、
筋肉痛の感じ方などを調べました。
主観的な疲労感は6時間以降の疲労感に差があり、
日焼け止めを塗ったほうが、疲労回復が早まることを示唆しています。
まあ、有意差はあるけど、統計学的には弱いかなー
サンプル数が少ないからしょうがないんですけどね。
主観的な筋肉痛に関しては24時間後に有意差ありとなっており、
やはり日焼け止めを塗った方がダメージは少なくなることを示唆しています。
血中乳酸値については、運動直後で有意に差があり、日焼け止めを塗った
ほうが血中乳酸値が低くなりました。
ただ、6時間以降は差はないです。
これの解釈は難しいところではありますが、被験者は若者だったと思われるので、
もしかしたら年齢を重ねるほど、経時での差がでるかもしれません。
疲労感とか筋肉痛も高齢ほど、有意に差がでるかもしれませんね。
まあ、40、50歳の人に日焼け止めなしで紫外線ガンガン浴びせるわけ
にはいかないから、実際のヒト試験は難しいでしょうけど。
データとしては、日焼け止めを塗らないよりは塗った方がよいってのは
間違いないのですが、致命的な差になるってわけではないです。
それこそ、プロのスポーツ選手でもない限り、ね。
逆にプロの選手の人たちに使わせる動機としては、
十二分なデータだと思います。
そういう人たちが使えば、商品の認知向上につながりますし、
●●選手も■■選手も使ってるってなれば、一般ユーザーへの
訴求効果も高まるでしょうしね。
【関連記事】