北海道大学の研究まとめ
セラミドはスフィンゴシンと脂肪酸で構成されています。
上図の組み合わせの数だけセラミドが存在します。
で、表にするとこんな感じ。
セラミドは非アシル化セラミド、アシルセラミド、結合型セラミドに分けられます。
非アシル化セラミドは普通のセラミドになり、割合が一番多いです。
結合型セラミドの占める割合が思った以上に多いです。
今までセラミドNS(セラミド2)が一番多いとされてきましたが、
昨今の研究ではセラミドNP(セラミド3)が一番多いとのこと。
化粧品原料となっていないセラミドNHも多いですね。
6-水酸化スフィンゴシン(6-ヒドロキシスフィンゴシン)で構成される
セラミドって現状存在しないのですが、作るの難しいのかね?
アシルセラミドにおいてはセラミドEOSがほとんどを占めます。
現状、セラミドEOSが使われているのはSKINMIMICSのみとなります。
アシルセラミドから結合型セラミドが作られるので、
必然的にEOS由来の結合セラミドの割合が大半を占めます。
これが何を意味するかというと、セラミドEOSが減少すると
結合型セラミドが減少することとなり、結果としてバリア機能が
脆くなるというわけです。
アトピー疾患はアシルセラミドが少ないといわれますが、
アシルセラミドが少ないから疾患が起きているわけではなくて、
結合セラミドが少ないことが疾患の直接的な原因だといえます。
セラミドを直接補うことは非常に有効な手段ではありますが、
結合型セラミドを増やすということは、もっと根本的な解決へと
繋がるといえます。
残念ながら結合型セラミドを直接補うことはできません。
アシルセラミドが合成されるのに必要な酵素はこんな感じ。
ピンク色の文字が酵素になります。
これらの酵素を増やせばアシルセラミドを増やすことができますが、
これらすべてを増やす必要があり、酵素活性によってアシルセラミドを
増やそうってのは難しいかも。
こちらはアシルセラミドから結合型セラミドを作る合成経路になります。
青色の文字が酵素になります。
最後の反応は酵素を伴わないとのこと。
ALOX12B、SDR9C7を活性化させる成分は見つかっています。
新しくわかったことをまとめると、
ヒトの細胞間脂質に一番多いセラミドはセラミドNS(セラミド2)ではなく、
セラミドNP(セラミド3)である。
アシルセラミドで特に重要なのはセラミドEOSである。
結合型セラミドのほとんどはセラミドEOS由来である。
結合型セラミドの占める割合は13.6%もあり、
もっとも重要なセラミドである。