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グルコシルセラミドに免疫賦活作用?!

オリザセラミド(コメセラミド)摂取のデータ

オリザ油化がオリザセラミドに免疫賦活作用があることを見出し、

それに関する特許を申請したとのこと。

いわゆる植物セラミドに関しての研究はオリザ油化が頭1つ、2つ抜けてる感じです。

 

樹状細胞にグルコシルセラミドを与えた時の反応を見るという実験。

in vitroの試験なのでヒト試験ではないです。

 

樹状細胞てのは免疫細胞の一種で、異物を発見し、その異物を取り込むことで

異物の特徴を記憶します。

その異物情報を白血球に教え込み、異物への攻撃を促します。

敵を認識してその情報を兵隊に伝えるって感じ。

 

樹状細胞にはTLR2、TLR4という受容体があり、

細菌の細胞壁に存在しるLPS(リポ多糖)を受容する部分で、

糖脂質を感受しているといわれています。

グルコシルセラミドも糖脂質の一種ですので、

樹状細胞の活性化を示すというわけさね。

 

実際に樹状細胞にグルコシルセラミドを添加したところ、

インターロキシン-6(IL-6)の放出が増加することが確認されました。

オリザセラミド中の GlcCer13 種の中で、GlcCer[d18:2(4E、8Z)/18:0]に最も強い IL-6 放出

増加効果があったそうな。

 

 

IL-6は免疫応答や炎症反応の調節において重要な役割を果たすサイトカイン。

しかしながら、IL-6の過剰放出はあまり望ましい反応ではないのよな。

IL-6は様々な炎症に関連しており、過剰分泌されている状態ってのは

いわゆる風邪をひいている状態になります。

発熱、炎症による倦怠感などを引き起こします。

 

また、長期にIL-6の過剰分泌が続くと、血中の異常が起こったり、

免疫の調整が乱れてリウマチなどの免疫疾患を引き起こします。

さらにはガン細胞の増殖、転移を促すともいわれます。

 

まあ、増えるってもそんなに影響ないやろ・・・

と思っていたのですが、数値をみるとコントロールに比べ

700~1000倍になってるのよな。

 

あくまでin vitroなので、実際にはそんなことはないわけですが、

仮にIL-6 の放出が何百倍とかになったら、たぶん死ぬと思います。

アナフィラキシーとかで。

 

えっ?!じゃあ、グルコシルセラミド摂取するのヤバいじゃん!!

と思われるかもしれませんが、実際はそんなことはないです。

まず、摂取するグルコシルセラミドの量は0.6~1.8mg/日と非常に微量。

これらが直接セラミドになるわけではなくて、セラミド産生を

促進することから効果を発揮するわけです。

実験の行われたグルコシルセラミドの量に血中濃度がなると

いうことはないです。

 

直接血中にぶち込まない限りは、このような反応にはなりません。

逆にいえば、血中に直接投与すれば、免疫を過剰に反応させることが

できるともいえるかな。

 

どのように活用していくのかは、ちょっと想像できないなー

グルコシルセラミドに免疫強化作用は別に求めてないですし、

これはコメセラミドに限った話でもないわけで。

こんにゃく由来とかコーン由来とか、大なり小なり免疫を活性化する

効果はあるでしょうからね。

 

 

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