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細胞増殖休止期のタンパク質が線維芽細胞を活性化する

F12A(Coagulation Factor XIII A Chain)

ポーラ研究発表になるのですが、線維芽細胞では細胞増殖休止期に作られる

F13Aというタンパク質がDNA損傷を修復し、細胞増殖、コラーゲン産生を高める

ことを発見したとのこと。

 

 

また、クダモノトケイソウ果皮エキスとアーチチョーク葉エキスの混合液で、

休止期の線維芽細胞においてF13Aの発現を増加させることを見出したとのこと。

細胞は分裂するんですが、絶えず分裂しているわけではなく、

細胞分裂をしない休止期というものがあります。

無限に増え続けるのはガン細胞ですからね。

 

F13A(Coagulation Factor XIII A Chain)は直訳すると「凝固因子13A鎖」

フィブリンの安定化に関与して創傷治癒の過程に働くことが知られています。

凝固因子ってことで、血が固まるときに作用するものって認識でOKかな。

 

ポーラは去年、休止期の線維芽細胞はコラーゲンⅥの産生を高めることを見出しており、

このコラーゲンⅥはオートファジーを活性化させるという研究成果を発表しています。

その要因となっているのがF13Aってことだったのかな?

この辺の関連性はちょっとわからん。

 

強制的に線維芽細胞を休止状態にした結果、F13Aの遺伝子発現が

増加するという結果に。

 

また、F13Aを添加すると、DNA修復関連遺伝子の発現が跳ね上がることが

確認されました。

おそらくはF13Aが血を固めると同時に、傷を治すことを促すシグナルになっているので、

傷を治すには細胞を増殖させる必要があり、DNAのコピーミスをなくすために

DNA修復遺伝子が活性化されているのだと思われます。

 

ぶっちゃけ、これを化粧品へ応用するってのはかなり難しいような気がします。

作用機序がこれだとだいぶ遠回りをしている感がぬぐえません。

 

アーチチョーク葉エキス+クダモノトケイソウ果皮エキスを添加することで

線維芽細胞にF13Aをたくさん作らせることができるかも・・・って話なのですが、

F13Aを作るのは休止期の線維芽細胞。

 

で、この成分を休止期の線維芽細胞へと届けないといけないわけ。

届いたとして、F13Aの遺伝子が活性化されるのは確認されていますが、

どの程度F13Aが産生され、増えるのかは未知数。

 

今度はF13AがDNA修復関連遺伝子を活性化させることで、

損傷したDNAが減るわけですが、その影響がどうでるのかも未知数。

ヒト試験の結果待ちってところなのかな。

 

アーチチョーク葉エキスは一丸ファルコスのバイオベネフィティだと思われます。

10年前は見向きもされていなかったのに、採用実績が今では凄いことになってます。

機能性成分シナロピクリンが肌老化の鍵・NF-kBの活性化を抑え、色素沈着や光老化、

毛穴の目立ちを予防します。

 

クダモノトケイソウ果皮エキスは日油のパッションフルーツエキスBGだと思われます。

果実エキスだったら同じ一丸のキュアパッションでいけたと思うんですけどね。

高い抗酸化作用のほか、天然保湿因子の産生を高める効果があります。

 

組み合わせが重要だとは思いますが、おそらく単体でも似たような効果は

あるんでないかな。

 

 

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